出版社内容情報
ロクロイ・エピゼピュリオイ人、レスボス、マンティネイア、ピュータゴラースの学説他。完結。
内容説明
ギリシア・ローマの厖大な文献のなかに、バッハオーフェンは母権制を読み取った。類を見ぬ女性支配研究。わが国第一線の西洋古典学者と西洋法制史学者の共同にもとづく決定訳・全3巻完結。
目次
ロクロイ・エピゼピュリオイ人
レスボス
マンティネイア
ピュータゴラースの学説とその後の体系
補遺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
11
本書によって母権と父権の対立は唯物論と唯心論、キリスト教以前の異教とキリスト教、西洋とアジアの対立に結びつけられた。加えて著者は言及してないが、文字文明とも無関係でなさそう。母親が誰かであるかは確定できるが、父親は法的フィクションだから、父権制は法を固定する文字がないと成り立たない。著者自身は唯心論、キリスト教、西洋文明が高次の発展段階という19世紀的歴史哲学の枠組の中に収まる。それにもかかわらず、この著書の貢献は、読者を唯物論、異教的なもの、アジア的なもの、文字を介さない文化という領域へと導いたこと。2023/06/21
鏡裕之
0
母権制についてのひたすら長いお話。もうわかった、ええっちゅうねんというのに、バハオーフェンのおしゃべりはつづく。君がギリシア神話に詳しいのはわかったけど、無駄やからもっと短くしてくれる? と言いたくなる。正直、好きにはなれんね。ロマンティストが書く学術書というのは、かくも饒舌で締まりのないものなのか。2014/02/23