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美徳なき時代

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  • サイズ A5判/ページ数 368,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622037927
  • NDC分類 150
  • Cコード C1036

内容説明

個人主義は生き残れるのか?西欧近代を相対化しつつ、今を生きるとはどういうことか?現代の道徳的危機の系譜をたどり、新たな共生の場を探った、現代の古典。

目次

一つの不穏な思いつき
今日の道徳的不一致の本性と情緒主義の主張
情緒主義―社会的内容と社会的文脈
先行の文化と、道徳の正当化という啓蒙主義の企て
なぜ啓蒙主義の企ては失敗せざるをえなかったのか
啓蒙主義の企ての失敗がもたらした諸結果
「事実」、説明、職人芸
社会科学における一般命題の性格とその予測力の欠如
ニーチェかアリストテレスか?
英雄社会における諸徳〔ほか〕

著者等紹介

マッキンタイア,アラスデア[マッキンタイア,アラスデア][MacIntyre,Alasdair]
1929年スコットランドに生まれる。ロンドン大学卒業。オクスフォード大学、エセックス大学などで教え、1970年にアメリカに移住。ヴァンダービルト大学などを経て、1989年から1994年に至るまでノートル・デイム大学(インディアナ州)、1995年からはデューク大学(ノースカロライナ州)の哲学科教授

篠崎栄[シノザキサカエ]
1947年鎌倉市に生まれる。東京大学文学部哲学科卒業。同大学院博士課程修了。現在、熊本大学文学部教授、倫理学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SULLIVA09943379

2
この本のタイトルの「美徳なき時代」は近代を指していると読んで差し支えないと思う。さまざまな倫理学や哲学を批判的に検討し徳や善についての系譜をたどる良著。しかし彼が「共同体主義者」(それは一体どういう立場か?)かと言われるとちょっと疑問符。 2022/05/01

josch-nein

1
暗黒の時代を克服したはずの啓蒙主義がもたらした個人/自由主義は道徳の合理化に悉く失敗し、客観的道徳の不可能性を説くニーチェ主義に帰結すること。それにたいしてヨーロッパ古代-中世におけるアリストテレス的道徳伝統に従う地域的共同体だけが客観的道徳を合理化できること。道徳が万人に共通する普遍的基準を持ち得ないこと。人間は共同体と人生の歴史=物語形式によって提供される理解可能性を生きるのだということ。などなど。叙述が節ごとに書かれていないのでかなり読みづらいけど、面白い。社会学に関する事柄も多く言及されていたり、2012/07/06

Seutaro

0
コミュニタリアニズムの論客として知られるマッキンタイアの著作。個人の好みによって「善」の内容は変わるといった個人主義的な発想を批判し、共同体の伝統に沿って物事の善し悪しは客観的に決定可能だとの立場をとる。ただし、マッキンタイアの言う「伝統」は、保守主義的なものではなく、論争のなかで変化していくものだとされる。また、共同体の一員として加害の歴史に対する責任を継承すべきだとの発想も見られ、いわゆる右/左といった対立軸にはおさまらない。とはいえ、様々な共同体が重層的に存在している現代社会において、共通善を見出す2012/04/04

Walpurgisstrasse666

0
倫理/道徳を巡る対話の困難から語りだし、時代の通念としての美徳、倫理へと。論理の構築が緻密でたいへんにわかりやすい。 2011/06/07

きぬりん

0
共同体主義の代表的著作として名高い本書だが、その射程は現代正義論の範疇をはるかに超えている。啓蒙主義以降現代に至るまでの道徳ならびに道徳哲学が、道徳判断の客観性や道徳的不一致の理性的な解消可能性を否定せざるをえないという隘路(情動主義)に陥っていると診断し、徳倫理の復権を通じて、道徳ならびに道徳哲学をニーチェ流超人思想への転落から救い出そうとする試み。実践、人生や人格の物語的統一性、伝統に着目した徳倫理の構築可能性や、歴史主義的な哲学・社会科学観など多彩な考察のもとに練り上げられており、生半には読めない。2021/12/30

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