出版社内容情報
ドイツ国民経済学の父をめぐる東洋と西洋、東西両ドイツの間の論争。稀有な学問的交流の軌跡。
内容説明
〈ドイツ国民経済学の父〉をめぐる東洋と西洋、東西両ドイツの間の論争。四半世紀に及ぶ稀有な国際的経験を振り返り、独自の立場からリストの全体像をきざむ。
目次
フリードリッヒ・リストの国民経済学
在りし日のリスト研究者たち
日本におけるリスト研究
リストのロイトリンゲン
リストの社会科学体系
テュービンゲンでリストを語る
リスト研究の新局面―ヴェンドラー教授の新著に寄せて
リスト生誕200年の「東独」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
4
本書には、リスト研究とそれに関するエッセイの2つの傾向のテクストが数本ずつ収められている。時は冷戦時代、ドイツはまだ東西に分裂しており、それぞれ時代の要請に従ってリストを様々に解釈していた(西ドイツではナチスとのある種の親和性は否認されECにむけた統合の思想的源泉とされた)。これは『経済学の国民体系』の解釈だが、著者はリストの本質を『農地制度論』に求め、リストの保護主義を後発資本主義国「一般」の問題として捉える。こうした理解自体、日本の講座派的な近代化の問題(マルクス→スミス)と連続しているものだと言える2022/08/06
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