内容説明
なぜストーリーありきの捜査は止まらなかったのか?
警察庁長官狙撃事件、大川原化工機事件にみる警察組織の失敗の本質
不正輸出の濡れ衣で社長ら3人が逮捕されるも、初公判直前に起訴取り消し、その後の国賠訴訟では捜査員からの「捏造」発言も飛び出した大川原化工機事件、真犯人が名乗り出て、それを裏付ける客観証拠があったにもかかわらず、立件せず公訴時効を迎えた警察庁長官狙撃事件――。
警察庁公安部が捜査した、これら二つの事件に共通するのは、功(逮捕)を焦り、一度決めた方針を改めず、そのまま「失敗」の道へ突き進んだ点にある。本書では、期せずして公安が関わった二つの事件を追いかけることになった記者がその取材の一部始終を公開。そこで見えてきた権力の失敗の本質とはいったい何だったのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
67
先日読んだ「ブラック郵便局」といい、この国はどうかしていると思う。日本は、真相を語らないため同じ失敗を繰り返すと書かれています。確かに、黙することが美学のような文化はあるかもしれません。でも、人の命を犠牲にしていいはずがない、どう考えても狂っている。そして、権力を持ったものが、非人道的な行為を繰り返すことを阻止しなければいけないと思います。政治も怪しげな空気担ってきているし、不安な国家になりました。2025/07/31
読特
47
信憑性の高い自供があるのに未解決で片づけた長官の狙撃事件。その病理は糺されることなく、大川原化工機事件の暴走へと続いた。当局でさえ欠陥ありと認める規制への違反。無理筋の立件も公判を維持できず。捜査員をして”捏造”とまで言わしめる。その迷走ぶりは、警視庁公安部という一組織に留まらず、日本の官僚システム全体の構造的欠陥を示唆する。…民への奉仕よりも自らの立身出世。無理を通してでも目立たねばならぬ宿命。どんな過ちでも認めてはいけない無謬性。…犠牲になった一つの命。その重さを感じることから始めねばならない。2025/06/28
kei302
40
報道に触れる度に、杜撰な公安捜査に呆れていたが、この本を読むと、警視庁と検察、さらに、裁判官までもが大きな過ちを犯していたことがわかる。亡くなった相嶋さんのご長男の、怒りを抑え、的確に問題の本質を突いた控訴審での発言が胸を打つ。28日の全面勝訴の判決を受けても、未だに何の謝罪もないことに呆れる。2025/05/30
GOTI
7
☆☆☆☆冤罪、再審を扱った大河小説「新都の証人」に続く司法行政の闇を描くドキュメンタリー。警視庁の主流は「公安部」。警察庁長官狙撃事件では刑事部が容疑者を特定し証拠や自白を握るも、捜査本部を仕切る公安部がオウムによるものとの見立てに拘泥して暴走した。結果、公訴時効を迎える。大川原化工機事件では有罪へと導く証拠や証言を捏造するも、身内の造反により起訴取り消しとなる。逮捕された3人のうち一人は収監中にガンを発症、7度の保釈申請も却下され保釈6日後に死亡した。警察、検察、裁判所による殺人! 2025/10/12
チェアー
6
公安は謝らない。政治家と同じだ。彼らは間違える事は無いと自分たちで勝手に思い込んでいる。ただでさえ警察は自分たちの失敗を認めないのに、公安はそれに輪をかけて失敗を認めない。いまだに大川原加工機の対して謝罪一つしていない。これが公安なのだ。 2025/04/20
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