出版社内容情報
ヤスパースとの出会いからヒトラーの政権掌握まで。第三帝国の本質を当時の日記と証言で探求。
内容説明
ミュンヘン、ベルリンでの大学生活を経てゴーロ・マンは、1929年ハイデルベルク大学に入る。ここで、著者の「考え方に最も大きな影響を与えた」カール・ヤスパースと出会った。エルゼ・ヤフェー・リヒトホーフェン、マリアンネ・ヴェーバー、グンドルフ、リッケルト、ヘッベル、シュヴァルツシルトなどの人物像、一緒に住んでいた友人の自殺といった出来事を描きながら、叙述は「最後の長い一年」と題される最終章でクライマックスを迎える。国会議事堂炎上。マン家のお抱え運転手の裏切。政治警察の手に渡ったトーマス・マンの日記を取り戻そうとする必死の努力。ドイツを出て亡命生活へ。当時の日記と証言から、事態の緊迫感がありありと伝わってくる。著者の生きた瞬間が彷彿とする本である。
目次
13 ハイデルベルク
14 カール・ヤスパース
15 フリードリヒ・ヘッベル
16 ハイデルベルクと危機
17 レーオポルト・シュヴァルツシルト
18 最後の長い一年