内容説明
ヨーロッパ、イスラム圏、ギリシャ正教世界の文明が交差し展開する数千年を、過去と現在の自由な往還によって描き出す壮大な俯瞰図。ブローデル「経済=世界」史学への序奏。
目次
陸地
海
夜明け
ローマ
歴史
空間
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
4
統計データを駆使したS・ピンカー『21世紀の啓蒙』で著者が引用されていて気づいたのは、著者が直線的時間に並ぶ政治史の羅列から空間の流通へ歴史をシフトすると、モニター上で見る空間が時間を経て変容する俯瞰図に似ている点だ。あるテーマの過去データを地中海とその周辺空間にプロットすると、ネットワークを作り、そこを移動する情報が複雑なトラフィックが織りなしていく。ただし、この過程は一律な時間経過ではなく、互いに影響し合う3層による構造変換である。本書では、俯瞰図としての歴史が変換によって編成が変わる様を時間と呼ぶ。2020/06/19
陽香
0
199012202012/02/28
yanapong
0
アナール派歴史家による地中海の全体史。特に地誌(空間)と歴史(時間)の連関を中心に。2010/07/19