出版社内容情報
認知科学と現代思想の成果を踏まえ、自らの領域を越えて、心理と教育の問題を論じる文化心理学。
内容説明
ブルーナーは1950年代から60年代にかけて起こった認知革命の火付け役として知られ、思考研究や乳児研究においても常に時代をリードしてきた。しかしその後立場を変え、認知科学の動向にむしろ批判的になる。本書はその新しい立脚点と眺望を示す論文集。ネルソン・グッドマンの「構築主義」を手がかりに、一個別科学を超え、ギアーツの人類学、バルトの文学批評、ヴィゴツキーの言語学などと手を携えた文化心理学へと深まった。文字通り、心理学に新しい地平を拓いた、意欲あふれる一冊。
目次
第1部 二つの自然種(文学的なものへのアプローチ;二つの思考様式;可能な城ども)
第2部 言語と実在(交流的自己;ヴィゴツキーのインスピレーション;心理的実在;ネルソン・グッドマンの諸世界;思考と情動)
第3部 構築された諸世界での行為(教育の言語;文化としての発達理論)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
2
科学的方法と物語的方法の二分化で引用されているので読んだ。2023/06/09
Go Extreme
1
二つの自然種: 文学的なものへのアプローチ 二つの思考様式 可能な城ども 言語と実在: 交流的自己 ヴィゴツキーのインスピレーション 心理的実在 ネルソン・グッドマンの諸世界 思考と情動 構築された諸世界での行為: 教育の言語 文化としての発達理論 1950-60年代の認知革命の火付け役 ニュールック心理学と呼ばれる諸研究 解釈的科学としての文化心理学 新しい視点からの教育の展望 構築主義ン→意味への視界 可能世界に心ときめかせる自由な精神・自足することのない息吹き 心理学+現代思想2022/07/08
roughfractus02
0
読むことが「仮想テクスト」(W・イーザー)を「書く」(語り直すジャンルを作る)ことならば、言説はそれを可能にするものである。著者は、物語を読者が「語り直す」点に注目し、その言説構成とそれを語る心理を諸可能世界の構築プロセスと捉える。指示や認知の問題を検討しながら、著者は無から始まる世界を退け、グッドマンの世界制作を参照して、読むことを先行する諸バージョンを変形したバージョンを制作する過程と捉え直す。本書は教育学と心理学の見地から可能世界論に接近する点で、論理学での同領域の探究と一線を画す論考となっている。2017/02/12
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