出版社内容情報
英訳もされ、世界的に有名な<トモナガの量子力学>。量子の概念、量子化の論理を鮮やかに解明。
第1章 エネルギー量子の発見
第2章 光の粒子性
第3章 前期量子力学
第4章 原子の殻状構造
第5章 マトリックス力学の誕生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
量子論を勉強しようとする初学者のための本で、量子力学がどのようにして作られてきたかを紹介するということがはじめに書かれています。このような本を読むときにはこの分野の基礎知識がない私はいつも数式などを飛ばして全体の感じをつかむ方式で読むのですが、3分の1くらいでダウンです。それで、ヒッポファミリークラブの量子学の本を引っ張り出して再読しているところです。2017/03/02
オザマチ
15
再読。現代に生きる私たちは、他の本などで得た知識で「物理量がとびとびになる」ということを予め知ったうえで本書を読めるわけだが、当時の人は何も知らないまま古典力学や統計力学の知見を武器に謎に立ち向かっていたわけだ。行列力学の章も、線形代数の知識が未整備だったのか、説明に苦慮している感がある。最初に開拓した人たちはやっぱり偉い。2021/08/11
roughfractus02
7
量子力学は現在も進展を続ける領域であり、学全体をカテゴライズして習得すべき過去の知識を関連づけた教科書の体裁を採る以外の在り方も可能である。量子力学が勃興して四半世紀に満たない時期に書かれた本書は、物理学者たちの試行錯誤を仮説同士の連関と捉え、そのつどの思考実験モデルの変更や数式の変形操作として具体的に動かしつつ進む。古典力学の原子論から熱力学の統計的な転回を経て、電子の離散的状態変化へ向かうこの学の初期の物理学者たちの発想の現場を、著者は物語の語り手のように各々の苦悩に寄り添い、戸惑いを共有しつつ語る。2022/04/05
オザマチ
6
行列力学に触れたのは初めて。なるほど、確かに複雑で難しい。2018/04/20
ピエール
3
大学で参考書として使うように指定された本を30年振りに引っぱり出して再読(捨てる前に)。当時、必死で数式を追いかけながら前期量子力学の成り立ちを学び感動したが、今読んでみると、数式をフォローするのが結構苦痛で、そこはそうなるものとして読み飛ばし、歴史の方に注目。やっぱり面白い。量子力学を志す人は必読でしょう(言い過ぎ?)。下巻に相当する量子力学Ⅱは、私の曖昧な記憶によれば、ひたすら量子力学を行列で扱った説明だったので、目を通しただけで終わりました。Iだけで十分だと思います。2014/10/08