出版社内容情報
厖大な実証的研究に基づいて数学的・自然科学的思惟構造を認識論的に基礎づける、『シンボル形式の哲学』へと結実する初期の記念碑的労作。近代科学の思惟構造の変遷を追い、独自の立場を確立した書。
2001年9月10日復刊・発売
内容説明
数学的・自然科学的思惟構造の形成を、“実体概念”から“関数概念”への発展として捉え、近代科学の認識論的な基礎づけを試みる。『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』へと結実するカッシーラーの足跡のなかでひときわ光彩を放つ記念碑的労作。昭和初年の抄訳刊行以来50年余をへだてて、その全訳がここに紹介される。
目次
第1部 事物概念と関係概念(概念形成の理論によせて;数の概念;空間概念と幾何学;自然科学的概念形成)
第2部 関係概念の体系と現実の問題(帰納の問題によせて;現実の概念;関係概念の主観性と客観性;関係の心理学によせて)
著者等紹介
カッシーラー,エルンスト[カッシーラー,エルンスト][Cassirer,Ernst]
1874‐1945。ドイツの哲学者。1874年旧ドイツ領ブレスラウ(現ポーランド領ヴロツワフ)に生まれる。ヘルマン・コーエンの下でカント哲学を学び、マールブルク学派の一人に数えあげられるが、近代認識論史の大著である『近代の哲学と科学における認識問題』(1‐3巻、1906‐1920、4巻、1950)や『実体概念と関数概念』(1910)で独自の立場を確立。ベルリン大学私講師をへて1919年新設ハンブルク大学教授に着任。さらに『シンボル形式の哲学』(1923‐1929)で言語・神話・宗教・芸術などを包括する文化哲学の体系をつくりあげた。1933年、ナチスの支配と同時に亡命を余儀なくされ、オクスフォードからスウェーデンをへて、1941年以後アメリカで活躍する。1945年4月、ニューヨークで没
山本義隆[ヤマモトヨシタカ]
1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003:パピルス賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yoshi