実体概念と関数概念―認識批判の基本的諸問題の研究

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  • サイズ A5判/ページ数 448,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622024620
  • NDC分類 116.3

出版社内容情報

厖大な実証的研究に基づいて数学的・自然科学的思惟構造を認識論的に基礎づける、『シンボル形式の哲学』へと結実する初期の記念碑的労作。近代科学の思惟構造の変遷を追い、独自の立場を確立した書。

2001年9月10日復刊・発売

内容説明

数学的・自然科学的思惟構造の形成を、“実体概念”から“関数概念”への発展として捉え、近代科学の認識論的な基礎づけを試みる。『認識の問題』に始まり『象徴形式の哲学』へと結実するカッシーラーの足跡のなかでひときわ光彩を放つ記念碑的労作。昭和初年の抄訳刊行以来50年余をへだてて、その全訳がここに紹介される。

目次

第1部 事物概念と関係概念(概念形成の理論によせて;数の概念;空間概念と幾何学;自然科学的概念形成)
第2部 関係概念の体系と現実の問題(帰納の問題によせて;現実の概念;関係概念の主観性と客観性;関係の心理学によせて)

著者等紹介

カッシーラー,エルンスト[カッシーラー,エルンスト][Cassirer,Ernst]
1874‐1945。ドイツの哲学者。1874年旧ドイツ領ブレスラウ(現ポーランド領ヴロツワフ)に生まれる。ヘルマン・コーエンの下でカント哲学を学び、マールブルク学派の一人に数えあげられるが、近代認識論史の大著である『近代の哲学と科学における認識問題』(1‐3巻、1906‐1920、4巻、1950)や『実体概念と関数概念』(1910)で独自の立場を確立。ベルリン大学私講師をへて1919年新設ハンブルク大学教授に着任。さらに『シンボル形式の哲学』(1923‐1929)で言語・神話・宗教・芸術などを包括する文化哲学の体系をつくりあげた。1933年、ナチスの支配と同時に亡命を余儀なくされ、オクスフォードからスウェーデンをへて、1941年以後アメリカで活躍する。1945年4月、ニューヨークで没

山本義隆[ヤマモトヨシタカ]
1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003:パピルス賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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とある科学者

2
19世紀以降の主に独国哲学は「独国的特殊性」と言われ、哲学と倫理学が混然となった物が多い。そんな中、かつてのカントの純粋哲学(≒科学哲学)の現代版を作った偉大な哲学者がカッシーラーであり、本書がその代表作。特に本書の内容は、仏のコントの科学哲学の影響も強く受けており、則ち、科学史スタイルであり、又、「経験論を吸収した合理論」。「関数や機能という関係論的思考に代表される抽象化が正しい認識の発展を促した」という考え方、又、それに伴う「反実在論」性の色濃い議論が展開される。現在でも深く考えさせられる名著の一つ。

枕流だった人

0
1986/7/5 4刷

Yoshi

0
とてもボリュームがあり、読むのが大変な本。哲学書ではあるが、カッシーラーが明解な書き方をしており、読み進めることはできる。フッサールとの関係が気になった。

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