内容説明
人びとの宗教への無関心が「仏教ビジネス」を肥え太らせる。葬式、戒名、墓地…飛び交うマネー、「知らぬが仏」の遺族に、「地獄の沙汰もカネしだい」の無信心…。MBAの資格をもつ老師が「仏教ビジネス」に喝。
目次
序章 「知らぬが仏」では済まされない(「行き過ぎ」の免税措置;それは「公益」か「収益」か? ほか)
第1章 知られざるお寺のガバナンスシステム(檀家とお寺の契約関係;檀家制度が矛盾の始まり ほか)
第2章 戒名・お墓・お布施の真実(戒名をつけないと祟りがある!?;「祟りビジネス」で荒稼ぎ ほか)
第3章 ビジネスマンも顔負けの仏門ビジネス(石材店の儲けの仕組み;墓石の原価は一割強? ほか)
第4章 ボーズ・ビー・アンビシャス(坊主よ大志を抱け!)(功徳を積む人から金儲けの商売人へ;タブー破りの横取り坊主 ほか)
著者等紹介
井上暉堂[イノウエキドウ]
1957年横浜市生まれ。慶應義塾大学卒。10代から禅の世界に触れる。プロボクサー、新聞・経済誌記者などを経験後、慶應ビジネススクールでMBAを修得。現在、会社経営。2002年、臨済宗の老師を拝命(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネギっ子gen
51
【ボーズ・ビー・アンビシャス(坊主よ大志を抱け!】宗教法人法の非課税特権が生む“埋蔵金”。日本人の宗教心を骨抜きにした寺檀家制。「知らぬが仏」「地獄の沙汰もカネ次第」とばかりに、葬式・戒名・墓地などで金まみれの実態。MBAの資格をもつ臨済宗老師が、「仏教ビジネス」に喝! <私たち日本人は、宗教や信仰について、自らの生活とのかかわりにおいて、いま一度見直すときにきている。形骸化した檀家制度や関連業者の利益構造を存続させる温床であるところの、無税を許している宗教法人法にも、併せて目を向けてもらいたい>と。⇒2023/04/11
Michi
6
仏教ビジネスとは上手く言ったものだなあと思う。宗教法人には免税措置、軽減税率などが適用され、適当な戒名や祟りビジネスで荒稼ぎなど、美味しい話がいっぱい。お坊さんの他人に言えない苦労はあるにしても、法要時などお寺から、ちょっとお高い金額を仄めかされても、そんなものかもしれないと思ってしまうので余程でない限り言わない。この本を読むと、死にたく無くなるし、お坊さんも「人の子」、煩悩は切っても切れないのだと思えてしようがない。2016/03/13
三上 直樹
1
MBAを取得しながら臨済宗の僧としても活躍している井上暉堂師による現代仏教を取りまくものへの批判をまとめた一冊。 いかにも現実にある内容ですが、ここにとどまっているのでは仏教1.0から逃れないだけに残念です。2018/06/01
だい
1
坊さんが、色んな角度から宗教を捉え、持論を展開している。「からくり」は、少々大げさだが、仏教の事がよくわかり面白かった。日本の宗教の世界も聖域なのかと思う。2014/06/10
恵
1
冠タイトルは絶対に余分。しかし、宗教法人の免税措置にここまで突っ込んだ本は初めて読んだ。そういう意味では、興味深い内容だった。2010/10/21