出版社内容情報
今世紀精神医学に〈現存在分析〉という新しい方法を開いた著者の、代表的な講演と論文を年代的にまとめたもの。時代を超えて生きつづける新しい世界を開示している。
1967年初版
※基本図書限定復刊2002年2月:2/8刊
内容説明
ルートウィヒ・ビンスワンガーは20世紀の精神医学に「現存在分析」という新しい道を切りひらき、1966年、85歳の生涯を終えるまで、つねに前衛的な研究活動をつづけてきた。本書は、その代表的な講演と論文をまとめたもので、フッサールの現象学を精神医学のなかに方法としてとり入れ、人間存在の根本構造への探究をテーマとして、広い人文的教養に裏づけされた明晰な思考を展開している。1922年より20数年にわたるそれぞれの講演・論文は、その時点における精神医学界の動向を背景としつつ、時代を超えて生きつづける新しい知見の提出となっている。
目次
現象学について
生命機能と内的生活史
夢と実存
ヘラクレイトスの人間理解
精神療法について
人間学の光に照らして見たフロイトの人間理解
精神医学における現存在分析的研究方向
著者等紹介
ビンスワンガー,ルートウィヒ[ビンスワンガー,ルートウィヒ][Binswanger,Ludwig]
1881‐1966。1881年スイス、クロイツリンゲンに生れる。家は代々高名な内科医や精神科医を送り出している名家。コンスタンツのギムナジウムを経て、1904年以後ローザンヌ、ハイデルベルク、チューリヒの各大学で医学を学ぶ。学生時代思想的にはカント、ナートルプ、リッケルト、精神医学に関してはボンヘッファー、E.ブロイラー、ユング、フロイトの影響を受ける。1911‐1956年私立精神病院の院長。フッサールの現象学、ハイデガーの現存在分析論に立脚した人間学を研究。1966年歿
荻野恒一[オギノコウイチ]
1921年大阪に生れる。1944年京都大学医学部卒業。慶応義塾大学文学部人間科学科客員教授。1991年歿
宮本忠雄[ミヤモトタダオ]
1930年埼玉県に生れる。1954年東京医科歯科大学医学部卒業。精神医学専攻。1973年から自治医科大学教授。1999年歿
木村敏[キムラビン]
1931年外地に生れる。1955年京都大学医学部卒業。現在京都大学名誉教授。河合文化教育研究所主任研究員。精神病理学専攻
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