出版社内容情報
現代言語学に関するみごとな分析と展望をはじめとして失語症、音韻、詩、通信工学など多面的な中心問題を深く考察する。構造主義的思考など、つねに現代思想の最前線を歩んだヤーコブソン教授の代表論文集。
内容説明
本書は、人類学者・言語学者会議で講演された現代言語学の状況に関するみごとな分析と展望にはじまり、失語症の問題、音韻論、詩学、通信工学、さらに言語学と隣接諸科学との関連など、広範な領域をカヴァーする秀れて代表的な論文からなっている。この多様な知的業績に一貫している基調は、言語を「孤立化に対する戦い、孤立化の征服」として考察するヒューマニスティックな姿勢であり、境界領域へ積極的にふみこんでいく開かれた精神である。人間文化を探求するにさいして言語学の占める地位がますます重くなった現在、細心に編集されたこれらの論考は、教授の全体を望見させる一方、もっとも卓出した現代言語学入門ともなっている。
目次
第1部 一般問題(人類学者・言語学者会議の成果;言語の二つの面と失語症の二つのタイプ ほか)
第2部 音韻論(音韻論と音声学;張りと弛み)
第3部 文法(言語の音素的相と文法的相との相互関係;転換子と動詞範疇とロシア語動詞 ほか)
第4部 詩学(言語学と詩学)
第5部 言語学と隣接諸科学(言語学と隣接諸科学)
著者等紹介
ヤーコブソン,ロマーン[ヤーコブソン,ロマーン][Jakobson,Roman]
1896‐1982。1896年モスクワに生れる。ラザレフ東洋語学院、モスクワ大学大学院を卒業。1915年モスクワ言語学集団を創設。1920年チェコスロヴァキアに移り、マサリック大学においてロシア語学などを講ずる。1926年プラーグ言語学集団の創設に参加し、トゥルベツコイを援けて活躍。1939年ナチスの侵入にあって、デンマークとスウェーデンに2年間滞在し、それからアメリカへ移る。1942‐47年ニューヨークのEcole Libredes Hautes Etudesにあり、その間にレヴィ=ストロースと相知る。ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学の教授を兼任。両大学名誉教授。1982年歿。教授の業績は多方面にわたるが、その集成として現在、Selected Writings of Roman Jokobson(The Hague:Mouton、1962‐)が刊行中である
川本茂雄[カワモトシゲオ]
1913年東京に生れる。1937年早稲田大学文学部卒業。早稲田大学名誉教授。1983年歿
田村すゞ子[タムラスズコ]
1934年名古屋に生れる。1962年東京大学大学院人文科学研究科博士課程終了。言語学専攻。現在、早稲田大学教授
村崎恭子[ムラサキキョウコ]
1937年台北市に生れる。1967年東京大学大学院人文科学研究科博士課程終了。言語学専攻。元横浜国立大学教授
長嶋善郎[ナガシマヨシオ]
1940年長野県に生れる。1966年東京大学大学院人文科学研究科修士課程終了。言語学専攻。現在、学習院大学教授
中野直子[ナカノナオコ]
1941年東京に生れる。1970年東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了
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