出版社内容情報
カフカ、アウグスチヌス、ベラスケス等の例により教育の諸相を根底から呈示したユニークな試み。
内容説明
規範を押しつける教育学から、オールターナティヴの教育学、子どもを「見守る」ことに自己を限定すべきだとする反教育学まで、教育に関する議論はあとをたたない。本書は、このようなアプローチの一面性を批判しながら、人間とは、そのつどの社会システムのなかで他人とともに生き、過去の文化を伝承しつつ未来を志向するものだという基本認識に立って、教育の方向づけを、しばし忘れ去られている歴史的・社会的・論理的連関のなかで捉えかえそうとする試みである。
目次
序章 何が問題か
1 提示―自分自身とその生活形式について何ほどかを伝達すること
2 代表的提示―何が伝達されるべきかを選択すること
3 教育可能性―子どもが学ぼうと欲していることを信頼すること
4 自己活動―自分自身で課題を設定し問題を解決すること
おわりに―アイデンティティをめぐる問題