内容説明
〈虚栄の市〉と化した現代日本。著者は卒直な、歯に衣きせぬ直言で、人びとを震憾させた。日本の現実のなかからどう道を切りひらくか?知恵と皮肉の警鐘。
目次
柏の住人となって
栄誉考
ヒュブリスについて
民主政治と要職の任期に関する一私見
モンテスキュウの遠慮
東と西
ラジオ徒然草
千駄ケ谷 自伝的覚書
〔付〕「歩く」ことについての一つの省察
若き俳人への手紙
詩人と法
リズムに関する一私見―俳句雑感
ことばについて
感想・レビュー
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mori-ful
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モンテーニュを引き、「栄誉というものはだから君主政の産物で、結局、国家が栄誉を与えて国民の貢献を期待したということの遺物とも言うべきものである」と痛烈。キリスト教がバックボーンにあると推察される。文章がよい。2025/05/24
sukham
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西洋古典学、専門のフランス法学の蘊蓄が随想の形で示されている。数十年経って 果たして日本国は 根本的に良い方に変貌したのか 否や。「あとがき」が心に残る 沁みてくる。著者と同じ空気を吸ってきた 吸い続けてきた肉親の情 愛。柔らかく サワサワとこちらに吹いてくる。野田さんは 実にいい時を過ごした そんな感じが胸にストンと落ちる。2020/12/05