出版社内容情報
生態学の研究は、何を目指して、どのように進めていくものでしょうか? 多くの研究者は、そういったことを系統立てて教わるわけではなく、さまざまな書籍や論文、大学での講義や実習、仲間との交流を通して、数多くの失敗や苦労を重ねながら、自分なりのやり方で研究の進め方を身に着けています。明文化されていないルールや研究を上手に進めるコツは、長年の研究経験を積んではじめて気づくことも多くあります。本書は、それらをまとめたハンドブックです。
本書では、仮説を検証するためのさまざまな生態学的アプローチ(操作実験、定量的観察、モデル)について考察し、それぞれの長所、短所、有用性について論じます。操作実験や定量的観察を計画する際や、結果を分析・解釈するときの経験則についても紹介します。創造的なアイデアを生み出す方法、野外調査の計画の立て方、他の人々との協力、アカデミア内外への就職、研究成果の伝え方など、研究にあたって知っておくべきことについても提案しています。
これから生態学の研究を始める学部生・大学院生にとって、指導教員や研究仲間とともに考え、議論するための助けとなる実践的な一冊です。
【目次】
日本語版刊行に寄せて/訳者まえがき/訳者一覧/第3版原書まえがき/はじめに:本書のねらい
■第1章 問いを立てる
理想の研究テーマ:斬新で,一般性があり,実現可能で,刺激的で,しかし完璧ではないもの
研究の選び方
問いから始める/研究対象から始める
メカニズムと結果
1つのまとまったストーリーを作る
あなたの研究の目指すところ:目標に従って問いを立てよう
■第2章 研究方法の選択
生態学研究を行うための3つの方法
定量的観察/操作実験/モデルの構築
生態学者が実験を好む理由(あるいは本書を『タオ生態学』と呼べない理由)
■第3章 生態学の仮説を検証する
研究の必要条件
意味のある処理/反復/対照/独立した反復,無作為性,処理の散在性
実験室,温室,それともフィールド?
■第4章 生態学における統計の利用
統計を行いその結果を発表する
統計学的有意性と生物学的重要性/p値/バイアス/第1 種の過誤と第2 種の過誤
代替仮説
生態学における帰無仮説/保険/「Yes/Noの問い」対「相対的重要性」/
関係の形状および「分散分析」対「回帰分析」/ベイズ統計
否定的な結果とメタ解析
■第5章 定量的観察を用いてパターンを探る
観察から仮説を立てる
研究の対象範囲/長期的な調査
測定すべき要因
定量的観察における因果関係と複数の要因
重回帰/主成分分析/構造方程式モデリング
「欠陥データ」の解釈
ビッグデータ
■第6章 ブレインストーミングとその他のスキル
ブレインストーミング
科学者として読む
野外調査時期の調整と対応
野外調査に行く前に/野外調査中に/野外調査時期が終わったら
執筆の習慣
■第7章 さまざまな人々との交流・生態学の仕事に就くこと
大学院に出願する前に知っておくべきこと
生態学者や他の人々との交流
教員や大学院生でない人々との交流
生態学の仕事に就く
教育志向の大学での教員職/大学以外での仕事
■第8章 発見したことを伝える
執筆をいくつかのステップに分ける
ステップ1.執筆前/ステップ2.下書き/ステップ3.推敲/ステップ4.編集
学術論文
序論/方法/結果/考察/結論/出版のプロセス
口頭発表
内容の準備/スライドの作成/磨き上げる/練習/ゲームタイム
ポスター発表
研究費申請書および研究提案書
申請書の構成
■第9章 まとめ
■Box一覧
【Box1】問いの立て方: 3つのタイプの生態学者とそれぞれへのアドバイス
【Box2】研究職以外のキャリアを目指す人にとっての研究の重要性
【Box3】代替仮説



