出版社内容情報
Geriatricsの概念から実践の時代へ
『あめいろぐ高齢者医療』から5年.老年医学の考え方は広まり,マルモ・多剤併用・フレイルなど高齢者診療の特異性と重要性は認知された.しかし,多くの医療者にとって実際の高齢患者を前にした時の対応,つまり「実臨床のノウハウ」は未だわからない部分も多い.
では,Geriatrician(老年科医)は高齢者の臨床をどう考えているのか?
そこで,Geriatricianは高齢患者のコモン疾患を前にした時,具体的に「どのように考え」「どのようにアプローチするのか」のケースディスカッション(症例検討)を老年医学のエキスパートと総合診療のエキスパートが論じた.
本書を読めば,老年医学の現場を疑似体験できる(QRコード:動画付き).
【目次】
第1部 老年医学:総 論
1 物 忘 れ………………………………………………………………………………………… 2
1.認知症は「物忘れ」ではない 3
2.認知症はいずれ死に至る病である 8
3.認知症のステージに合わせた非薬物的介入する 9
2 誤嚥性肺炎…………………………………………………………………………………… 15
1.誤嚥性肺炎は5つのMで考える 16
2.多職種による専門職連携で包括的介入を試みる 22
症例検討:考えてみよう 83歳女性,独居(娘が隣町に在住) 28
3 背 部 痛………………………………………………………………………………………… 31
1.問診・診察を同時に進めるハイブリッド式情報収集を行う 32
2.老年医学の5つのMで方針を決める(包括的アプローチ) 33
3.疼痛コントロールのポイントは痛みの評価にあることを認識する 35
症例検討:考えてみよう 85歳男性,要介護1(妻と二人暮らし) 43
第2部 老年医学:各 論
4 せ ん 妄………………………………………………………………………………………… 46
1.せん妄は高齢者に超コモン,なのに見逃しが多い 47
2.せん妄発症後の予後は悪いと認識しておく 50
3.せん妄は予防が重要である 52
5 転 倒…………………………………………………………………………………………… 66
1.転倒の評価は聞くことから始まる 67
2.高齢者の転倒に「つまずいただけ」はない 70
3.転倒後のマネジメントと再発予防は多職種による専門職連携が重要 73
症例検討:考えてみよう 78歳女性,独居 79
6 薬がほしいです……………………………………………………………………………… 81
1.ポリファーマシーの定義と高齢者への影響を知る 82
2.知識不足だけでなく,医師の善意からも起こる処方カスケードに気づく 84
3.服薬リストを患者中心にレビューする(VIONEを活用した減薬を検討) 86
7 老 衰……………………………………………………………………………………………… 94
1.予後予測は5軸で考える 95
2.患者・家族の価値観を生活の面も含め多面的に捉える 95
3.患者中心の意思決定は3ステージ・プロトコルを活用する 100
4.ポジティブな面とネガティブな面を聞き出し,価値観の解像度を上げる 103
8 多疾患併存……………………………………………………………………………………… 110
1.マルモを知り,包括的な視野で患者ケアを考える 112
2.多疾患併存高齢者の治療方針は5つの要因で決定する 114



