出版社内容情報
電子線で試料表面を走査する走査電子顕微鏡(SEM)は,試料表面形状だけではなく,試料の元素組成や結晶方位,三次元形状など,さまざまな情報を得る手法として発展を遂げ,多くの研究・産業分野で広く用いられている.
本書は,このようにSEMの応用が広がっている状況を踏まえ初版を大幅に改訂.SEMの基礎的・理論的な説明から,分野に応じた試料の準備・前処理法や観察手法を実際の観察事例とともに解説した.さらに,データサイエンス・機械学習の応用や三次元像の構築,自動化なども,最新の実例とともに紹介している.
SEM の初心者から,応用を検討している実務者・研究者まで必携の一冊.
【目次】
1 走査電子顕微鏡(SEM)とは何か
1.1 なぜSEMで表面観察ができるのか
1.2 なぜSEMで分析ができるのか
1.3 SEMの歴史
2 SEMの像形成の基礎
2.1 二次電子・反射電子の発生
2.1.1 概 要
2.1.2 二次電子の生成と放出
2.1.3 反射電子の生成と放出
2.2 像のコントラスト
2.2.1 コントラストの基本概念
2.2.2 SEM像のコントラストを決める要因
2.2.3 実際のSEM像コントラストの例
2.2.4 画像処理によるコントラスト強調
2.3 SEMのプローブ径
2.3.1 プローブ径の定義
2.3.2 電子銃の輝度
2.3.3 球面収差
2.3.4 色収差
2.3.5 回折収差
2.3.6 プローブ径の最小化
2.3.7 プローブ径と観察条件
2.4 SEMの像分解能評価
2.4.1 ギャップ分解能
2.4.2 エッジ分解能
2.4.3 像シャープネス
3 SEMの装置
3.1 電子源と電子照射系
3.1.1 電子銃
3.1.2 電子照射系
3.2 対物レンズと検出器
3.2.1 対物レンズの種類
3.2.2 検出器
3.2.3 信号検出系
3.3 低真空観察・低加速電圧観察が可能な装置
3.3.1 低真空SEMで帯電現象が抑制される原理
3.3.2 低真空SEMの歴史と用途
3.3.3 低真空観察のコツ
3.3.4 低加速電圧観察
3.4 付属装置
3.4.1 元素分析装置
3.4.2 後方散乱電子回折装置
3.4.3 カソードルミネッセンス装置
3.4.4 ラマン分光装置
4 SEM観察の実際
4.1 測定条件の設定
4.1.1 加速電圧
4.1.2 コンデンサーレンズ電流
4.1.3 作動距離
4.1.4 対物絞り
4.1.5 電子光学系の軸調整
4.1.6 非点補正
4.2 画像の取得
4.2.1 SEMの画像取得技術の進歩
4.2.2 画像デジタル化の恩恵
4.2.3 画素数とデュエルタイムの選択
4.3 試料の準備
4.3.1 サイズ調整
4.3.2 洗浄・乾燥
4.3.3 ホルダーへの試料固定方法
4.3.4 ホルダーの高さ調整
4.4 試料前処理
4.4.1 真空や電子線照射が観察試料に与える影響と対策
4.4.2 前処理もほどほどに
5 SEMの応用・発展
5.1



