出版社内容情報
試料表面の組成・構造や電子物性に関する多彩な情報を引き出すことができるX線光電子分光法(XPS)は、表面分析の代表的な実験手法の一つである。本書では、XPSについての基礎的・理論的な解説から、試料調製法やデータ解析の仕方といった実践的な内容を丁寧に解説。また、放射光施設を利用した応用的な測定・解析例も多数紹介した。
XPSを利用し始めた学生・実務者はもちろん、さらに発展的な利用を検討している熟練者にも有用な一冊。
【目次】
1 X線光電子分光法(XPS)とは何か
1.1 光電子分光の特徴
1.2 なぜXPSで表面を分析できるのか
1.3 なぜXPSで元素組成を分析できるのか
1.4 なぜXPSで化学状態を分析できるのか
1.5 XPSの歴史と最近の潮流
2 光電子発生の原理
2.1 励起光の入射
2.2 光吸収と励起
2.3 二次緩和過程
2.4 固体中の光電子の伝搬
2.5 真空への脱出と試料の帯電
3 XPS装置の原理と基礎
3.1 全体構成
3.2 試料ステージ
3.3 真空排気系
3.4 光電子分光用の光源
3.5 分析器および検出器
3.6 顕微分光の概要
4 測定法
4.1 試料調製法
4.2 測定の実際
4.3 その場測定・オペランド測定
5 データ解析
5.1 解析の基本
5.2 組成分析
5.3 深さ方向分析
5.4 電子状態分析
5.5 角度分解光電子分光の概要
5.6 大規模データ解析
6 応用・発展
6.1 雰囲気X線光電子分光
6.2 電気化学環境XPS
6.3 顕微・イメージングXPS ―走査型
6.4 顕微・イメージングXPS ―PEEM型
6.5 光電子運動量顕微鏡
6.6 価電子帯光電子分光
6.7 角度分解光電子分光 ―酸化物上に形成される2次元金属の決定
6.8 角度分解光電子分光 ―有機材料
6.9 時間分解光電子分光
6.10 二光子光電子分光
6.11 スピン分解光電子分光
6.12 光電子回折
6.13 光電子ホログラフィ・光電子回折
6.14 X線吸収分光とX線発光分光
おわりに:これからのXPS