内容説明
本書の主題である2次形式とは、たとえば3x2+6xy-5y2のように、すべての項の次数が2である多項式のことをいう。その研究の歴史は古く、ピタゴラスの時代にまで遡れるが、18世紀以降、ガウスやジーゲルといった大数学者たちも精力的に2次形式を研究した。本書は、初学者も念頭におきながら、この深く広がる2次形式の理論をできるだけ単純明快に解き明かすことを目指した、数学者コンウェイによる講義録である。題材は著者コンウェイの好奇心を揺さぶったものに絞られ、2次形式の理論全体の体系的な解説を目指してはいないが、目や耳や鼻で活きいきと感じ取れるように、感覚を総動員して2次形式を鑑賞することを試みている。2次形式や格子の理論に興味を持つ読者に、膨大な準備を始める前にまずは理論の息吹に触れられる1冊として薦められる。
目次
第1講 3x2+6xy-5y2が見えますか?
補講1 PSL2(Z)とファレイ分数
第2講 格子の形がきこえますか?
補講2 クヌーザーの糊付けの方法―ユニモジュラ格子
第3講 …そして、その形を感じることができますか?
補講3 4次元格子の形を感じる
第4講 素数の香り
補講4 不変量再考―p-進数
付録 数論の風味
著者等紹介
コンウェイ,J.H.[コンウェイ,J.H.] [Conway,John Horton]
1937年英国リヴァプールに生まれる。プリンストン大学数学科ジョン・フォン・ノイマン教授職。2020年歿
細川尋史[ホソカワヒロシ]
学びDESIGN塾P.M.C.代表。元横浜国立大学教育人間科学部准教授。理学博士(筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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