出版社内容情報
物質の電子状態を計算で明らかにするための基盤的な理論を詳細に解説する、計算物理学を学ぶ学生にとってバイブル的な教科書。
下巻では、上巻での密度汎巻数法や擬ポテンシャル法の詳しい叙述をふまえ、具体的な種々の電子状態計算手法と計算によって得られる物質の状態を解説する。
本改訂では、2004年の原著初版の内容をその後の進歩に合わせて加筆修正し、表面・界面・低次元系、混成Wannier関数が新しく加えられた。より詳しく説明されたものとしてBerry位相がある。また、著者が新しく取り入れた話題はトポロジカル絶縁体であり、本改訂の最大の特色である。その他、原著の内容を補い、読者の理解を深めるために訳者付録もいくつか設けられている。
【目次】
第IV部 電子構造の決定,基本的な方法
第12-18章の概要
第12章 平面波とグリッド:基本的事項
第13章 平面波法と実空間法:本格的計算
第14章 局在軌道:タイトバインディング近似
第15章 局在軌道:本格的計算
第16章 補強された関数:APW,KKR,MTO
第17章 補強された関数:線形法
第18章 局在性と線形スケーリングO(N)法
第V部 電子状態から物性予測
第19章 量子分子動力学(QMD)
第20章 応答関数:フォノンとマグノン
第21章 励起スペクトルと光学的性質
第22章 表面,界面,および低次元系
第23章 Wannier関数
第24章 分極,局在,Berry位相
第VI部 電子構造とトポロジー
第25章 結晶の電子構造のトポロジー:序
第26章 2バンドモデル:Berry位相,巻き数とトポロジー
第27章 トポロジカル絶縁体I:2次元
第28章 トポロジカル絶縁体II:3次元
付録L 数値計算法
付録M 電子状態の反復計算法
付録N 2中心行列要素:任意の各運動量lに対する表式
付録O Dirac方程式とスピン軌道相互作用
付録P Berry位相,曲率,そしてChern数
付録Q 量子Hall効果とエッジ伝導度