出版社内容情報
暗号や誤り訂正符号を理解するには,代数学と数論が必要である.一方,代数学や数論の意義を解するには,情報の完全性を担保する技術への応用の理解が役立つ.
本書では,必要となる初等整数論の結果や抽象代数学の基本概念とともに,それらがいかに応用されなぜ機能するのかを紐解くための考え方と結果について,暗号や誤り訂正符号に関する一般的な入門書よりも詳細に解説している.これにより,対面授業はもちろん,オンライン授業や自主学習にも適した教材となっている.
対象とする読者は,大学1-2年生レベルの微分積分学と線形代数の講義を履修済みまたは履修中の学生である.本書を読み終えたときには,現在広く使われている暗号や誤り訂正符号のいくつかについて,数学的に深く理解し,さらなる研究のために十分な準備ができていることだろう.
目次
第1章 安全で信頼できる情報
第2章 モジュラ計算
第3章 mを法とする1次方程式
第4章 Zにおける素因数分解の一意性
第5章 環と体
第6章 多項式
第7章 行列とハミング符号
第8章 位数とオイラーの定理
第9章 RSA暗号と素数
第10章 群、コセット、ラグランジュの定理
第11章 連立合同式の解法
第12章 準同型写像とオイラーのφ関数
第13章 巡回群と暗号
第14章 コセットの応用
第15章 リード‐ソロモン符号入門
第16章 Blum‐Goldwasser暗号
第17章 二次篩法による素因数分解
第18章 多項式と有限体
第19章 リード‐ソロモン符号2
著者等紹介
三嶋美和子[ミシマミワコ]
東海国立大学機構岐阜大学工学部教授
宮本暢子[ミヤモトノブコ]
東京理科大学創域理工学部教授
篠原聡[シノハラサトシ]
明星大学情報学部兼データサイエンス学環教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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