出版社内容情報
2006年に刊行した 『リスクってなんだ? ―化学物質で考える』 の増補改訂版
SDGsが世界的な広がりをみせる中,地球温暖化や海洋プラスチックなど,私たちの日常生活をとりまく化学物質とのあり方について誰もが真剣に考えなければならなくなりました.不確かな未来にどう生きるか,どう決断するか,また,根拠のない情報が極大化する時代に対処するためにも,科学的な思考力,つまりリスクの考え方を養うことが非常に重要です.
本書は “リスクってなんだ?” の発想で,化学物質のリスク評価の基本(利害得失を十分に吟味し,その過程と根拠を公開して一般的な判断の材料とする)を解説.初版の内容に,社会の変化と化学物質をめぐる世界的な動向を概観し,変化の大きい社会のあり方にも触れました.化学となんらかの関係をもつ人はもちろんのこと,日常生活において化学物質との接点をもつ一般の人にも大いに参考になる一冊です.
目次
長生きするのも“リスク”?…リスクってなんだろう
青酸カリにも出番あり…ハザード管理とリスク管理
風が吹いたら桶屋が儲かる?…リスク評価のシナリオ
このにおいの原因は、あれかな?…直接暴露
名も知らぬ遠き○○より…間接暴露
ミクロのツアー…取込み・吸収・体内動態
“リスク”は“クスリ”の逆!?…健康影響
景観を乱すのはだれだ?…環境生態影響
人生いろいろ、この世は不可解…変動性と不確実性
1より大きいとアウト?…リスクの判定
ハラがへってはいくさができぬ…データベースとシステム
こんなんでどや?こうとちゃう?ほんならこれでいこか!…リスクを越えて合理的な意思決定にむけて
著者等紹介
花井荘輔[ハナイソウスケ]
1940年生まれ。1965年東京大学大学院工業化学系修士課程修了、富士写真フイルム(株)入社。1995年(社)日本化学工業協会出向。2000年富士写真フイルム(株)定年退職、(社)日本化学工業協会嘱託、(独)産業技術総合研究所客員研究員などを経て、花井リスク研究所主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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