出版社内容情報
注目が集まる「漸近的安全性」の概念を用いて量子重力理論にアプローチし、その基礎から解説する。
内容説明
アインシュタインの一般相対性理論によって、宇宙における古典的な物理現象は概ね計算で説明がつく。しかし宇宙初期のビッグバン特異性を理解するには、量子力学が必要である。もしこの2つの理論を統合することができれば、重力の量子論(量子重力理論)は完成するのだが、未だ課題が残る。これまで多くの研究者がその課題に挑み、超弦理論やループ重力理論などいくつもの理論が提唱されてきた。本書では、別の方法の一つとして注目が集まる「漸近的安全性」(Asymptotic Safety)の概念を用いて重力の量子論にアプローチする。
目次
第1章 はじめに
第2章 経路積分と有効作用
第3章 摂動論による重力理論のくりこみ可能性
第4章 汎関数くりこみ群方程式と量子論
第5章 汎関数くりこみ群方程式による重力の量子論
第6章 f(R)重力
第7章 計量のパラメトリゼーションとゲージ依存性
第8章 任意次元における一般背景時空上の高階微分理論
第9章 物質場と結合した重力理論
第10章 物理的応用
付録
著者等紹介
太田信義[オオタノブヨシ]
国立中央大学(台湾)客員教授、(兼任)近畿大学理工学総合研究所研究員。東京大学理学系大学院博士課程修了、理学博士。日本学術振興会奨励研究員(東京大学理学部)、イタリアINFN研究員(ローマ)、大阪大学教養部助手、同講師、同助教授、日本学術振興会海外特別研究員(University of Texas at Austin)、北欧理論物理学研究所(NORDITA)客員教授、大阪大学理学部助教授、近畿大学理工学部教授を経て現職。専門は素粒子、重力、宇宙論に関する理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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