出版社内容情報
代数多様体上の連接層がなす導来圏に関し、重要なトピックと、最新の諸研究結果までを概説。
内容説明
「アーベル圏の導来圏」はアーベル圏の対象の複体からなる三角圏であり、1960年代にグロタンディックとヴェルディエにより導入された概念である。以来、導来圏は活発に研究されており、現在では代数幾何はもとより数論幾何学・代数解析・表現論・数理物理などで有用な道具、言語として活躍し、大きな発展に寄与している。本書は代数多様体上の連接層の導来圏に関し、特に重要な発展と思われるトピックを選び、最新の諸研究結果までを概説した。できる限りself‐containedに、また本質を見失わない程度に簡単な設定にした上で、各トピックについて核となるアイディアが現れるよう展開されている。
目次
本書の構成と記号
導来圏の定義と性質
三角関手の同値性の判定条件
導来圏の半直交分解と例外生成列
安定層のモジュライ空間とFourier‐Mukai変換
導来McKay対応
フロップによる導来同値
連接層の導来圏と行列因子化
ホモロジー的射影双対理論
連接層の導来圏と幾何学的不変式論
Bridgeland安定性条件
Donaldson‐Thomas不変量
付録A Grothendieck双対性
付録B 代数上の加群
付録C 代数群の代数多様体への作用
付録D 商スタック
著者等紹介
上原北斗[ウエハラホクト]
東京都立大学大学院理学研究科数理科学専攻准教授
戸田幸伸[トダユキノブ]
東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構教授
中村周[ナカムラシュウ]
学習院大学理学部教授
山田澄生[ヤマダスミオ]
学習院大学理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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