内容説明
難病治療、人口と食料の問題、感染症の予防、生殖医療、障害と環境など世界のさまざまな問題に、ゲノム編集はどのような可能性を拓くのか?ようこそ、素晴らしくときに心配なゲノム編集の時代へ。
目次
第1章 黎明期
第2章 生命の暗号をハッキングするための道具
第3章 世界中の人が食べていくために
第4章 動物の世界を編集する
第5章 私たちのゲノム編集
第6章 安全第一
第7章 ゲノムを永久に変える
第8章 地球上の生物をまだ人に支配させますか?
第9章 さあ、どんな質問でもどうぞ
第10章 名声と富
著者等紹介
キャリー,ネッサ[キャリー,ネッサ] [Carey,Nessa]
エディンバラ大学で博士号(ウイルス学)を取得。インペリアル・カレッジ・ロンドンで分子生物学の上級講師を務め、バイオ系製薬企業での13年間の勤務などを経て、現在はインペリアル・カレッジ・ロンドンの客員教授
中山潤一[ナカヤマジュンイチ]
1971年、東京生まれ。基礎生物学研究所クロマチン制御研究部門教授。東京工業大学大学院生命理工学研究科博士課程修了後、コールドスプリングハーバー研究所・研究員、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター・チームリーダー、名古屋市立大学大学院システム自然科学研究科教授を経て、2016年より現職。研究テーマは、クロマチンの構造変換による遺伝子発現制御など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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林克也
2
もともと興味のある分野ではあったが、今回、この本を手に取ったきっかけは、血縁関係のある家族同士でのDNA配列の異変と障害との問題をもう少し詳しく知りたかったから。 結果、この一文に巡り合えた。「もし一部の障害を医学的な問題ではなく社会的な問題として見ることができたとすると、生殖細胞をグノム編集することにはどんな意味があるだろうか?」 私の住む町とは矢作川を隔ててすぐ隣町となる岡崎で研究をしている中山さんの訳も、とても読みやすかった。どこかですれ違っているかもしれませんね。 2020/07/04
四ツ谷
1
良書。バイオセクターの理解を深めるために本書を手に取った。2018年11月中国にて胚の時点でHIV耐性を施し、ゲノム編集された双子が誕生した。2012年以降、クリスパ―・キャス9というゲノム編集技術によってあらゆる生物のゲノム編集が容易かつ一般的になった。生命活動に必要な最小限のDNA配列であるゲノムはヒトの場合、36億ある対をまるで小説のアルファベット1文字を訂正するように正確に標的を定めて編集できるようになった。本書は技術、経済、圧力団体など幅広くゲノム編集について紹介している…(ヽ´ω`)2020/02/20
K T
0
一気読み。 図解を訳者がしてくれているのでとてもわかりやすい2020/06/13