内容説明
1924年にドイツ語で第一巻初版が出版されて以来、物理数学を学ぶための代表的テキストとして長く読み継がれてきた歴史的名著の第4版(1993年)日本語訳。下巻は、固有値問題や境界値問題と変分法を中心に解説し、読者をスピーディに問題の本質へと導くその鮮やかな語り口によっておよそ一世紀を経たいまも古典としての輝きを燦然と放っている。当時、数学が物理学やその他の学問から乖離し、抽象化・緻密化の度合いを強める傾向に対する憂慮をこめて書かれた本書は、ちょうど時代を同じくして生まれた量子力学の発展にまさに必要な数学的方法を物理学者に提供し、数学と自然科学との間に豊かな交流が実現し得ることを劇的な形で証明する結果となった。今日、工学、情報学そして生物学などとも広く結び付いている豊かな現代数理科学の発展の礎を築いた一冊として、多様な読者に勧められる。
目次
第5章 数理物理学における振動および固有値問題(線形微分方程式についての予備的な注意;有限自由度の系 ほか)
第6章 変分法の固有値問題への応用(固有値の極値性;固有値の極値性の性質による一般的な結論 ほか)
第7章 固有値問題によって定義される特殊関数(2階線形微分方程式についての前置き;ベッセル関数 ほか)
第8章 変分法による境界値問題と固有値問題の解法(予備;第1種境界値問題 ほか)
著者等紹介
藤田宏[フジタヒロシ]
東京大学名誉教授
石村直之[イシムラナオユキ]
中央大学商学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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