出版社内容情報
本書は現代数学の最重要の概念や構造を包括的に紹介し、数学をより深く理解する為のガイドとなる1冊。
内容説明
本書は現代数学の最重要の概念や構造を包括的に紹介し概観する。読者は、数学的構造のパノラマおよびそれらの間の関係の概観として、あるいは抽象数学への入門として、あるいは知識をより一般的視野に置いてみるために、あるいは数学への新たなより深い観点を得るために本書を読むことができる。本書では、概念的数学のすべての重要なアイデアはある程度の努力で理解できるとして、概念と構造の動機づけと説明をし、かつ例を用いてわかりやすい解説をする。第1章は形式ばらない概観をし、第2章では数学における基本的な構造と圏論の基礎概念を導入する。第3章では関係を抽象的な仕方で扱い、2項関係を織り込む数学的構造としてグラフを扱う。第4章では位相空間や前位相空間を導入し、代数的不変量や幾何的不変量を論じる。
目次
第1章 概観と展望(概観;簡単な歴史的スケッチ)
第2章 基礎(対象、関係と操作;公理的集合論 ほか)
第3章 関係(関係を表す元;元を特定する関係 ほか)
第4章 空間(前位相空間と位相空間;σ代数 ほか)
著者等紹介
清水勇二[シミズユウジ]
国際基督教大学教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やす
11
気になっていた本が図書館にあったので借りる。貸出延長して明日が期日なので半分しか読めていないが中間メモ。「全ての有限群は対象群の部分群である」とかさらりと書いてある。ある決まった数の物の置換が引き起こす群という単純明快な構造がすべての有限群を含んでいることに大変驚く。物理が物質のひいてはこの世のすべての基本法則を書き下そうと何世紀にもわたって格闘しているがそのゴールは果てしないことに比べてなんてことだろう。数学の力とは恐ろしいものだと感じる。この一文を読めただけでも価値がある。誤解かもしれないけど。2024/09/13