出版社内容情報
紀元前の気象予報から、21世紀に生きる我々に至るまで、気象学と気象予報がどのように変遷したかをたどる。誰が現代の気象予報を作り上げたのか。この質問に答えるためには、多くの偉大な科学者たちの名前を挙げていく必要がある。我々がいつも何気なく手にする気象予報は、多くの科学者たちの努力の結晶なのである。気象学を推し進めた科学者の中には、現在では物理学者や化学者として名高い人物も存在している。
本書では紀元前の気象予報からはじめ、21世紀に生きる我々に至るまで、気象学と気象予報がどのように変遷したかをたどる。気象予報はいつの時代も必要とされてきたが、その目的は安定した収穫、安全な航海、災害への備え、墜落しない飛行機、そして戦争での勝利といったように、時代によって変遷している。しかし、いずれも簡単な問題ではなく、時代の先端の知識を、トップランナーの科学者が駆使することで、初めて解決されてきた。いまだ進化を続ける気象学と気象予報が、どのように編み上げられてきたのかを知ることのできる稀有な一冊。
1. 古代ギリシャ自然哲学における気象学
2. ルネサンスによる古代ギリシャ自然哲学のほころび
3. 科学革命の中での気象学
4. 気象測定器などの発展
5. 気候のための観測網の設立と力学の大気循環への適用
6. 嵐の解明と気象警報の始まり
7. 近代日本での気象観測と暴風警報
8. 19世紀末の気象学の発展と気象予測の行き詰まり
9. 気象予測の科学化と気象学のベルゲン学派
10. 数値予報と気候科学の発達
11. 国際協力による気象学の発展
堤 之智[ツツミユキトモ]
著・文・その他
内容説明
古代より、これから先の天気がどうなるのかというのは大きな関心事であった。それは耕作や漁、交通といった日々の暮らしに密接に関係しているからである。それらに加えて現代ではさらに、防災などさまざまなビジネスでの活用も進められている。気象学はどのように生まれ、どうやって気象予報の精度を向上させてきたのか、またどのような人々が発展に貢献をしてきたのか。本書ではその歴史をひもといていく。
目次
古代ギリシャ自然哲学における気象学
ルネサンスによる古代ギリシャ自然哲学のほころび
科学革命の中での気象学
気象測定器などの発展
気候のための観測網の設立と力学の大気循環へ適用
嵐の解明と気象警報の始まり
近代日本での気象観測と暴風警報
19世紀末の気象学の発展と気象予測の行き詰まり
気象予測の科学化と気象学のベルゲン学派
数値予報と気象科学の発達
国際協力による気象学の発展
著者等紹介
堤之智[ツツミユキトモ]
理学博士。気象庁気象研究所海洋・地球化学研究部・部長。1986年、気象庁観測部入庁。その後、気象研究所研究官、観測部環境気象課調査官、観測部環境気象課全球大気監視調整官、青森地方気象台長、水戸地方気象台長、熊本地方気象台長、気象大学校教授、気象庁地球環境・海洋部環境気象管理官を経て、2017年より現職。専門は気候変動、大気環境(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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