内容説明
量子力学を使い続けていると、学び始めたころ不思議と感じたことに、いつしか慣れてしまう。当初の疑問は、決して解決したわけではないが、つじつまが合っているからと気にしなくなる。本書は「物わかりの悪い人」を読者対象として、この基本的で本質的な疑問に改めて向き合い、その理解を図る。純然たる哲学としてでも単なる計算技術としてでもなく、両側面を合わせもつ体系としての量子力学を身につけ、細部まで熟知して使いこなせるようになることを目指す。初等的な数学(主に微積分)と物理(主にニュートン力学)だけを前提とし、数学的道具は、必要になった段階で、それまでに培った知識などを総動員して手作りしつつ話を進める。講義を受けているかのように、疑問点や思考過程を追いながら、量子力学を発見的に再構成することができる。
目次
第1章 量子論の登場:古典物理学からの脱却
第2章 ウェーヴィクル
第3章 シュレーディンガー方程式
第4章 「位置の確率密度」と「運動量の確率密度」
第5章 「大人しい函数」と「超函数」
第6章 シュレーディンガー方程式の基本的性質
第7章 運動量測定(その1)
第8章 調和振動子波動函数
著者等紹介
高木伸[タカギシン]
1974年東京大学大学院修了。理学博士。研究分野:理論物理学。主な職歴:サセックス大学数物科学科研究員、北欧理論原子物理学研究所(NORDITA)客員、東北大学理学部助教授、富士常葉大学環境防災学部教授、ダブリン大学芸術学部数理物理学科客員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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