内容説明
対称性とは何でしょうか。「対称性」は現代科学の重要語の一つです。対称性といえば、虹、雪の結晶、貝殻などの線対称や回転対称な図形を連想し、その規則正しく並んだ模様に私たちは魅了されてきました。この対称性を現代科学で扱われているように抽象化するきっかけとなったのは、対称な図形・模様の分析・研究ではなく、方程式の解の探求といわれています。本書では対称性についての素朴なイメージからはじめ、対称性の抽象的定義、その性質の広がり、魅力をイアン・スチュアートが描きます。
目次
第1章 対称性とは
第2章 対称性の起源
第3章 対称性の分類
第4章 群の構造
第5章 群とパズル
第6章 自然のパターン
第7章 万物の法則
第8章 対称性の原子
著者等紹介
川辺治之[カワベハルユキ]
1985年東京大学理学部数学科卒業。日本ユニシス株式会社総合技術研究所上席研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Fondsaule
13
★★★★☆ 対称性という言葉は、一般には線対称、点対称等の様に、視覚的なイメージ。 でもこの本を読むと、ある性質が変わらないような変換として対称性を特徴づけられることがわかる。 一面を埋め尽くす繰り返し模様、立体図形にも対称性が定義できるわけだ。 興味深かったのは、正多面体の章と、ゲームの章か。 数学においては、おおよそすべての分野に対象が現れる。 身の回りでも、素粒子から宇宙まで。 2024/09/20
Yoshi
7
とても、コンパクトに対称性の数学や物理に関して記述されている。が、内容は、本の薄さに対して濃いので、とても消化しきれない。 ですが、パズルと数学との関連性がわかりやすく書かれていて、物理学に関しては、他の本でも読む機会があるので、とくに興味深かった。2024/08/19
まえぞう
4
群論の話しです。いろんな例を出してくれていますが、議論は抽象的で難しいです。著者はもっと易しい本も書いているので期待しましたが、ついていけませんでした。2017/10/07
くらげかも
3
斜め読み。数式の記述が多く、決して易しくはない。大学数学の勉強中に読むと面白いかも? それにしても、銀河の腕が密度波であるという記述が印象に残る。つまり、星星は集まってクルクル回転しているのではなく、音波を伝える空気分子のように、それぞれの星が周りの星との距離をゆらゆらと変えて、結果的にできる密度の高い部分が腕を形成しているとのこと。 銀河の動きに対しての想像がかなり覆された。2024/03/14
africo
3
挫折。自然科学で対称性と言った時、パッとイメージするような幾何学的な意味合いだけではない、とはなんとなく思っていたので、対称性とはどんな概念なのか知りたかった。例えばCP対称性の破れ、と言ったときの対称性である。とは言え、想像していたより自分が高校数学を本気で忘れており本当にわからなくなってしまった。この本の対称性の範疇にCP対称性が含まれるかどうかすらもわからないところで挫折。数学を勉強し直すか、スルーするところはガッツリスルーすることにするか、なんにせよ心持ちをリセットしていずれ再挑戦かな。2022/01/30