出版社内容情報
正しい解答は過去の人類の経験にある。原爆被爆やチェルノブイリを調査してきた著者が、健康影響の科学的真実と必要な事故対応を綴る
内容説明
放射線の人体への健康影響は、実験室での研究だけでは解明できない。人体に関する知見を得るためには、被曝事例の分析が必須である。本書では、原爆被爆者やチェルノブイリ原発事故の調査に長年携わってきた著者が、直接見聞きした情報と、科学的知見をもとに、「放射線の健康影響とはどのようなものか」「原子力災害による健康影響にどう対応すべきか」を具体的につづっている。放射線の健康影響を科学的に理解し、さらにその先を見通す指針となる一冊。
目次
第1部 災害事例からみる放射線の健康影響(放射線を浴びると人はどうなるか;原爆放射線―外部被曝の影響;チェルノブイリ原発事故―内部被曝と精神的影響;東海村JCO臨界事故―周辺住民の心のケア;スリーマイル島原発事故;ビキニ核実験;世界の核実験による放射性降下物)
第2部 原子力災害の健康影響にどう対応するか(被曝者の防護、救済、援護;核テロ;サイエンスとポリシー)
著者等紹介
長瀧重信[ナガタキシゲノブ]
長崎大学名誉教授。1932年東京都生まれ。東京大学医学部卒業後、内科(冲中内科)に入局し、米ハーバード大学医学部に留学。帰国後、東大付属病院外来診療所医長、長崎大学医学部教授、放射線影響研究所理事長、日本アイソトープ協会常務理事、国際被曝医療協会会長などを歴任。内科の医師として、原爆被爆者やチェルノブイリ原発事故による被曝者の健康影響の調査・研究に長年携わる。とくにチェルノブイリ原発事故では、甲状腺の専門家として被災共和国を支援するとともに、IAEAやWHOなどの国際機関と協力し、放射線の健康影響に関する国際的な科学的合意に深く関与してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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