内容説明
「現前」と「不在」によって織り成され、無限に揺れ続けるフィギュールの空間とは?構造主義革命の嵐の最中に書かれ今なお光彩を放ち続ける構造論的文学批評の金字塔。
目次
可逆的世界
ナルシス・コンプレックス
「黄金は鉄のもとに落ち」
プルースト、パランプセスト
固定しためまい
マラルメの幸福?
空間と言語
羊の群れの中の蛇
文学のユートピア
心理分析的読み
ベルクソン的モンテーニュ
構造主義と文学批評
語と驚異
記号の裏
文彩
フローベールの沈黙
超喩
それそのものとしての文学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹花 樒 - Shikimi Takehana
2
ジュネットの"めまい"の「原体験」から始まり、記号の結合が織り成す思考のめまぐるしい空間的な広がりを様々な作家のエクリチュールを比較し測定しつつ、やがて〈文彩〉とその体系である修辞学との関係に切り込んでいく評論集。〈文彩〉とは即ち記号表現の線と記号内容の線の間に作り出される空間の形態(フィギュール)であり、「修辞学」とはその〈文彩〉の空間を行き来するコードの体系のこと。文彩の記号学的表現機能は古の修辞学からの範列・形態――記号の両義性に基づいた一体系によりその両義性の間の狭く目の眩むような空間が展開する!2010/07/11
mio k
0
何度も繰り返される「めまい」という言葉。物語、詩、言葉たち、とシニフィエのうつろい。2014/11/19
0
再度。最初の頃は、作品それ自体のリシャール=バシュラール的テマティスム批評であったが後半に行くと中期から後期のパランセプト、文彩や修辞学の問題に移行してゆく。或いは、「固定しためまい」のロブグリエ論おいては、後の『メタレプシス』で語られることになる入れ子構造の分析もしている。『物語の詩学』以降、殆ど語られることがなくなった詩の読解に当てられているのが興味深かった。2023/03/29
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