内容説明
15年戦争(満州事変からボツダム宣言受諾までの一連の戦争)以来、本当の意味で日本は中国との善隣友好関係を築くことができていないが、その根底にあるものとは何なのか?―本書では、1920年代末、満州事変前後という極めて限られた期間に絞り、平和運動全般ではなく、新渡戸稲造と賀川豊彦という二人の人物を平和運動の主体に据え、彼らと他の諸主体との関係性にスポットを当てながら当該期の平和運動の歴史的意義について考察することによって、これからの日中の友好関係のあり方に対するヒントを提供する。
目次
プロローグ 平和の問い方(再編された「冊封体制」としての近現代アジア地域;権威主義と市民主義 ほか)
第1章 賀川と新渡戸の連携―日本友和会(FOR)の成立(賀川と新渡戸の接点;日本友和会の結成)
第2章 国際的な平和運動の本格的なはじまり―日本友和会と太平洋問題調査会(世界情勢の大きな変化;エルサレム世界宣教会議と賀川 ほか)
第3章 満州事変と平和運動(満州事変の勃発と賀川への期待;太平洋問題調査会上海会議 ほか)
エピローグ
著者等紹介
布川弘[ヌノカワヒロシ]
広島大学大学院総合科学研究科文明科学部門教授(地域研究講座)。神戸大学大学院文化学研究科博士後期課程単位取得退学(社会文化専攻)。専門は日本近代都市社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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