内容説明
ナノの世界とは?―大きさが髪の毛の太さの1万分の1程度という小さな物質の世界のことである。ナノメートル(10億分の1メートル)スケールでは、予想外の魅力的な現象や効果が起こる。いくつかのナノ技術はすでに私たちのまわりで使われており、ナノ技術の発展にははかりしれない可能性がある。本書は、専門用語や難解な科学の概念を避け、日常的で具体的な例をあげながら、物質を極小にすることで見えてくる新しい現象を解説する。特定の分野に偏ることなく、物質科学、生命科学、医学、エレクトロニクス、情報科学、環境科学、科学技術政策、科学社会学にいたるまで、幅広い話題を取り上げた。
目次
第1章 ナノの世界へ―なぜ、どのようにして
第2章 ナノ世界の物質―ナノ構造物質
第3章 環境とエネルギー
第4章 生命科学と薬学
第5章 電子‐情報‐通信
第6章 社会の課題
著者等紹介
モレ,ロジェ[モレ,ロジェ][Moret,Roger]
CNRS(フランス国立科学研究センター)の主任研究員で、オルセーにあるパリ南大学(パリ第11大学)の固体物理研究所のメンバー。ナノ科学分野に属する各種化合物の構造物性を研究してきた。イル・ド・フランス(パリを含むフランス中枢部)のナノ科学専門センターのメンバーであり、社会におけるナノ科学の統合活動のコーディネーターを努めている。同時に、知識普及センターで科学的知識の普及に力を注いでいる
鹿児島誠一[カゴシマセイイチ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。理学博士。1973年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。工業技術院電子技術総合研究所研究員、東京大学教養学部助教授、パリ南大学固体物理学研究所客員教授、東京大学教養学部教授を経て、1994年改組により現職。2006年9月~2008年8月日本物理学会副会長・会長。主な研究分野は物性物理実験、低次元電子系の物性、有機導体の物性(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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