内容説明
平易な文章で語る、現代物理学のエッセンス。日常的な題材を用いて、たくさんのイラストや写真で“図解”しながら、独自の視点でまとめた解説が、原子物理について、さらには量子力学についての深い理解を促します。1941年から1944年まで、雑誌『図解科学』に連載された10編の解説を初めて単行本化。当時「伏見康治博士の学硯いよいよ冴え…」と絶賛された解説記事が、ここによみがえります。
目次
1 飛び交う分子
2 燃える分子
3 原子建築
4 震えるエーテル
5 流れる電子
6 波うつ電子
7 光のつぶて
8 光る原子
9 原子模型
10 原子アンテナ
著者等紹介
伏見康治[フシミコウジ]
1909年、名古屋市生まれ。1930年、東京帝国大学理学部物理学科卒業、同学科助手。1934年、大阪帝国大学理学部物理学科助手。1940年、理学博士号取得、同教授。1949年、日本学術会議第一期会員。1959年、大阪大学理学部長。1961年、名古屋大学プラズマ研究所創設、所長となる。1973年、定年退官、大阪大学名誉教授、名古屋大学名誉教授。紫綬褒章受章。1977~82年、日本学術会議会長。1980年、藤原賞受賞。1983~1989年、参議院議員。1989年、勲二等旭日重光章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mazda
27
非常に興味深い本です。原子、電子の基本的なこと、物質の結合、などなど、理工系の方なら一度は習った内容ですが、少し違った目線で考えられる本です。「野球の球はなぜ止まる」では、野球の球のエネルギーが空気に伝わって落ちてしまうという、普通は考えもしないことを指摘していました。よく「電気が流れる」って表現するけど、「これって何が流れるの?」といつも感じてしまう…。タイトルに「流れる電子」というのがあったが、そうそう、電子が流れてるんだよね、と思うと安心。2013/08/24
しょ~や
1
様々な現象を分かりやすく説明していて面白かったです。とくに波動関数の遷移とうなりのイメージは他にはない記述で大いに理解に繋がりました。2015/03/16