内容説明
循環型社会を目指した地方自治体の施策として、従来からの「規制的手法」が限界に直面するなか、「経済的手法」が注目されている。著者は、全国自治体アンケート調査とヒアリング調査を通して、「有料化」がごみの減量に有効であることを示している。本書は、「有料化」と併用施策を用いて、ごみ処理費負担の公平性確保や、意識改革を通じたごみ減量化に取り組んだ自治体の実践事例を分析し、これからの「ごみ行政のあり方」を提示する。
目次
家庭ごみ有料化施策の展開
家庭ごみ有料化の実施状況
有料化の目的と制度運用―第2回全国都市家庭ごみ有料化アンケート調査から(1)
有料化の効果と制度運用上の工夫―第2回全国都市家庭ごみ有料化アンケート調査から(2)
韓国ソウル市の家庭ごみ有料化
高い手数料水準での有料化―北海道十勝地域での有料化の実践
超過量方式の有料化―高山市と佐世保市の取り組み
多摩地域における有料化の伝播
八王子市の有料化への取り組み
有料化の制度設計に取り組んだ町田市審議会
ごみ減量化とヤードスティック競争―多摩地域でのごみ減量の推進力
戸別収集の効果とコスト
不法投棄・不適正排出対策
事業系ごみ対策と公企業の役割
著者等紹介
山谷修作[ヤマヤシュウサク]
東洋大学経済学部教授。中央大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。1949年生まれ。専門は公共政策。特に廃棄物行政に詳しく、全国の自治体に精力的に足を運んでフィールドワークを実施。著書に『循環型社会の公共政策』(編著、中央経済社、2002年)、『実践・家庭ごみ有料化』(共著、環境産業新聞社、2005年)など。ごみに関する審議会にも数多く参加し、東京都台東区、中野区などの廃棄物減量等推進審議会の会長や、環境省の廃棄物会計基準・有料化ガイドライン策定検討委員会の委員、全国都市清掃会議研修講師なども務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。