内容説明
近年、先進諸国の産業技術政策が知的財産権の保護強化に向かっていることを背景として、知的財産の戦略的な創造と活用が技術経営の機能として占める意義はますます高まりつつある。本書は、こうした変化の中にあって企業が直面する知的財産マネジメントの課題を包括的に取り上げ、その課題に対応するための戦略のフレームワーク、実践的な管理手法、および政策動向に対する展望を提供する。技術経営という広い文脈の中に知的財産マネジメントに関する知識を体系的に位置づけて記述しているところが本書の大きな特色。
目次
技術経営における知的財産の意義
知的財産戦略とは何か
知的資産経営と特許戦略
知的財産会計
知的財産の価値評価
特許マップの作成および分類とその活用
知的財産活用とファイナンス
知財マネジメントにおける人財育成
わが国の産業界が求める知的財産人材とは
知財マネジメント関連の知識・スキルの伝達手法
技術流出防止のための企業戦略
デザインの知的財産マネジメント
特許ライフサイクルにおける戦略的活動のための特許工学
知的財産制度の変化とその国際的な動向
日本における知的財産政策と今後の課題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
zoe
15
一社だけの知的財産だけでは経営が立ち行かなくなっており、イノベーションプロセスを効果的にマネジメントしなければならず、技術経営が必要となっている。特許は資産であり、経営の指標となり株価を左右する。よって知的財産は例えば次のように管理される。基礎情報として特許マップの作製を行い技術開発の課題を把握する。そしてパテント・ポートフォリオ・マネジメントを行う。テクノロジーヒートマップとし可視化したりする。科学技術、知財法務と経営の重なる領域であり、不確かで流動的な領域である。したがって、唯一の解というものがない。2024/08/10