内容説明
周知のように、ドイツは環境先進国であるが、これまで日本に導入されてきたのは、例えば『ファクター4』など、現象面だけに偏っていた。だが、「環境先進国」には「環境先進国」たるべき哲学が存在する―。本書では、わが国でこれまでほとんど論じられることのなかったドイツ古典哲学や現代ドイツの「実践的自然哲学」から地球環境問題を議論していく。哲学史を踏まえながら基本問題を哲学の土俵上で議論する「新しい環境倫理学」の始まり。
目次
環境倫理学を考える前に
地球環境問題とは
地球環境問題は存在しないのか
ディープ・エコロジー
ディープ・エコロジー再考
合意形成について
ドイツ観念論の政治哲学
新たな合意形成へ向けての政治哲学的基礎
具体的な合意事項
レオ・シュトラウスの政治哲学における近代
ジープのコスモス倫理学
環境倫理学はどこへ向かうか
著者等紹介
山内広隆[ヤマウチヒロタカ]
広島大学大学院文学研究科助教授(応用倫理・哲学講座)。1949年鹿児島市生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学(西洋近世哲学専攻)。比治山女子短期大学、比治山大学助教授を経て1996年から現職。その間ミュンスター大学客員研究員(1998~99年)
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