内容説明
中国の神話では、神々の戦いや宇宙滅亡が重要なテーマになっている。そして、一人の英雄が世界の大災害から人類を救った後の新しい世界と、賢王たちの黄金の時代へと神話は語り継がれてゆく。これらの神話が、他の国の神話と異なっているのは、戦士や英雄たちの教訓的な徳性を重んじていることである。そこには、儒教や道教に通じる思想が色濃く現れている。本書では、これら中国の神話の独特の世界を数多くの資料から読み解いてゆく。
目次
第1章 創造神話
第2章 神の宇宙
第3章 大災害神話
第4章 神話のヒーローとヒロイン
第5章 神話の中のジェンダー
第6章 変身
第7章 伝説の女神たち
第8章 異国と異民族
第9章 神話伝説における連続性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
2
中国の神話とかマイナーな神話をときどき無性に読みたくなるんです。でもヨーロッパやインドのようにまとめられた文献はなく、『孟子』とか『論語』とかの端々に語られているにすぎません。本書はその端々に語られている文献を集めてのブックガイドなんです。あとがきにも「中国神話は集大成されることなく散逸し、諸書に断片的に記録されたに過ぎません」とあります。https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51025390.html2010/04/04
guanben
0
中国には天地創造神話が(本書に紹介されているだけでも)6つもある!!!とのこと。やっぱ広いから!。これだけでも、中国が多民族国家であり、たとえ「漢族」であってもけっしてルーツが同じでない人たちがウヨウヨいるということがうかがえる。聞いたこともないマイナーな「神」の紹介がされていて、面白い。2013/10/06