内容説明
豊かな文明と、多彩な物語を育んだインカ帝国の繁栄と悲劇を神話と、その生まれた背景を通して語る。
目次
序章 インカ神話と、その時空
第1章 インカ神話研究のための資料
第2章 宇宙の起源神話
第3章 インカの国家起源神話
第4章 沿岸地帯を含めた地方の神話
第5章 アンデスに残るインカの痕跡
著者等紹介
佐々木千恵[ササキチエ]
慶応義塾大学大学院修士課程英米文学専攻修了
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感想・レビュー
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belier
3
他の本で読んだこともあるインカの国家起源神話に加えて、地方の神話も紹介されている。ペルー沿岸地帯中部の神話に 、古事記のオオゲツヒメみたいなエピソードがあったのは興味深かった。神が怒って人間の子どもを殺したら遺体の歯からトウモロコシ、骨からマニオックの塊茎、肉から野菜や果物が生えてきたというもの。海外の著作の翻訳なので当然だが、日本とペルーの神話の共通する点について神話学的な観点からの解説はない。ちょっと残念だった。2024/11/23
samandabadra
0
アステカも、インカもわからないからか 単層的な理解で提示されることが多いが 帝国と呼ばれるだけに さまざまな人々を束ねて痛んだということを 神話から再構成しようとした本 それなりに成功しているように思う。 ずっと積ん読中の Bruce Mannheimの The Language of the Inka since the European Invasion を読みたくなってきた さていつになることやら 2009/04/16