内容説明
16世紀のヨーロッパ人による征服のため、絵文書や彫刻をはじめとするメソアメリカ文明の美術品は大量に破壊されてしまった。だが、それよりも文化的に計りしれない損失となったのは、殺戮や疫病の流行、過酷な労働、改宗などによって、土着の慣習や観念が滅ぼされてしまったことである。しかし、本書に描かれているのは死滅した部族の死に絶えた神々ではない。これらの神話は、アステカ族、マヤ族をはじめ、メキシコや中米の諸部族の後裔の観念や言語のなかで、今なお生き続けているのである。
目次
主な資料と研究史
アステカの神話
マヤの神話
メソアメリカの神話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
前述のリョサ含め、6人の南米作家がノーベル文学賞を受賞しています。神話・伝承を絡める手法はマジックリアリズムと読ばれ、莫言などにも受け継がれています。そのルーツを辿り、創作に生かすために読みました。2014/07/27
桜絵
1
某ゲームでアステカ・マヤ神話が気になったので。それより前からも気になっていたが、ケツァルコアトル、テスカトリポカ、太陽の周期があるくらいのうすらぼんやりした知識しかなかったので読んでみた。 ほかの神話と違うのは、明確に暦の概念があったこと。この周期でこれがあり、それを防ぐためには石碑を建てたり神と同じように生贄や自ら死んで供物にしたりという感じ。北欧神話が既に終わっている世界なら、南米の神話は未来に向けてどうするか、という世界だと思った。あと、人間はトウモロコシからできているらしい。2025/01/26