内容説明
東洋の自然観・世界観に立脚しながらユーラシア大陸の風土・歴史をグローバルな観点から論じた梅棹忠夫の「文明の生態史観序説」の生態史観に基づいて、文明や歴史をその舞台となる自然環境との関係を重視しながら研究する分野として、「環境考古学」を提唱した筆者が、地球環境と人類の危機の時代に、自然と人間が共存し、文明の発展を維持していくための新たな歴史像、文明像を創造するための歴史科学として「環境考古学」の重要性を熱く語る。
目次
第1章 環境考古学とは何か
第2章 気候と文明の環境考古学
第3章 森と文明の環境考古学
第4章 稲作文明の環境考古学
第5章 動物と文明の環境考古学
第6章 環境考古学を学ぶ人のために
著者等紹介
安田喜憲[ヤスダヨシノリ]
1946年三重県生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。広島大学助手をへて国際日本文化研究センター教授。フンボルト大学客員教授、京都大学大学院理学研究科教授(併任)などを歴任
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感想・レビュー
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takao
1
☆著者の主張がまとまられている 付録に、環境考古学の分野別に各大学の研究室の紹介あり。2016/09/20
たかーき
0
エーゲ海が澄んでいるのは、木を切った後に出てきた新芽を放牧された動物が食べつくして、ギリシャの森がなくなり、海への栄養もなくなったからだとか。国土の60~70%の森林が保たれ(江戸末期よりも森林は増えているらしい)、木を切った後に木を植える文化が保たれている日本がいかに奇跡的なものなのか、よくわかりました。第3章「森と文明の環境考古学」は圧巻。知的好奇心、満足しました。(2008年3月28日★★★★★)2008/03/28