内容説明
世界にはどのような宗教が、いつどのように始まり、どのように分布しているのか。また、どう発展し、どのような問題をかかえているのか―本書では、まず原始時代の宗教の痕跡をたどり、宗教現象の基本について考える。次に紀元前1000年紀中頃から起こった価値観の大転換によって生まれた仏教・儒教・キリスト教などの創唱宗教を概観し、キリスト教と合理主義に支えられた西欧文明が全世界を制覇した近代の動きを分析する。そして、近代の宗教に対する叛乱として先進諸国で生まれた現代の宗教としてのカルト、さらには、今後のグローバリゼーションの進展の中で宗教が果たす役割について考察する。第一人者による待望の一冊。
目次
第1章 世界の宗教―起源、類型、分布
第2章 神話と儀礼―世界の原点と生活のけじめ
第3章 歴史宗教と現世拒否―来世の救済と普遍的価値
第4章 プロテスタンティズムと世俗内禁欲―現世の再評価
第5章 近代化による世俗化―欧米・日本・第三世界
第6章 カルト―世俗化への叛乱
第7章 ファンダメンタリズム―西欧化への反撃
第8章 グローバリゼーションと宗教―社会生活の三つの領域