内容説明
アンダルシアのパティオに、古代から脈々と伝わる中庭型住居の美しさを発見し、キクラデスの階段バルコニー型の住居に自己中心的な世界観を集落世界へ拡げることによって得た庶民のイデオロギーを見る。本書はアンダルシアのパティオとキクラデスのドロモッシュ(路地)を対置させながらこれらの形式を成り立たせている生活習慣や世界観を探る。
目次
1 コルドバとアンダルシアのまち
2 キクラデスの集落と住まい
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
282
コルドバを中心としたアンダルシア地方とミコノスのキクラデス諸島との対比の試み。たしかに、両者ともに白い漆喰で塗り固められた家々が町の全体を覆う。しかも、かたやパティオという独特の中庭空間を有し、キクラデスはバルコニー型とよばれる住居群とは感覚的には似ていなくもない。しかし、その一方でコルドバの街を今も支配するイスラミックなムードはギリシャには全く見られない。ギリシャはむしろ、歴史的にも南イタリアの例えばオストゥーニなどの地中海都市との共通項が多いように思う。 2023/11/09
-
- 和書
- 彼岸の花嫁 創元推理文庫