内容説明
今まで絶縁体と考えられていた有機物の中に、金属と同様に電気を伝えるものがあることがわかってきた。これら「合成金属」と呼ばれる物質の内部では電子が低次元、すなわち線や面にに沿って伝わることによって、様々な不思議な現象があらわれてくる。本書は、低次元電子に固有な「電荷密度波」と「パイエルス不安定性」、及び有機(超)伝導の最先端の話題を中心に、常温での超伝導への夢を語る。
目次
1 低次元電子とは
2 低次元有機伝導体の発見
3一次元電子の不思議なふるまい
4 二次元導体の電荷密度波
5 電荷密度波のダイナミクス
6 電気を流す高分子
7 量子ホール効果
8 常温超伝導の低次元導体
9 有機超伝導
10 今後の展望