感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
156
大晦日は特別な日。家族揃って年越し蕎麦をいただいて、夜半から正月にかけて響きわたる、除夜の鐘。真夜中の12時になったら新しい年がくるんだ。子どもたちのワクワクした気持ちが伝わってくる。とうごうなりささんの絵本は版画で描かれており、静寂で優美、奥深さのある日本の伝統行事をうまく表現している。母と妹に見送られて、暖かくした父と兄は初めての参拝の列に並ぶ。年が明けたばかりの大きな鐘の下で太い綱を握った。空が震えていた。ゴーン。煩悩を取り除き、清らかな心で新年を迎えられますように。皆にとって平穏でありますように。2024/12/31
ままこ
99
大晦日から新しい年へ。子供の目を通して穏やかさの中に粛々とした雰囲気がある大晦日の夜の情景がありありと伝わってくる。モノトーンで描かれる伝統行事の良さをしみじみと再認識できる絵本。【2019年読み納め本】2019/12/31
ぶち
89
読友さんのレビューを拝見して読みたくなった絵本ですが、この時期まで一年待ちました(^o^)。 大晦日の"特別な夜"の厳かな雰囲気が黒と白の版画から感じとることができます。男の子の緊張感と興奮も伝わってきます。 お父さんと一緒に歩く昼とは違う夜の道、冷たく澄み切った空気、篝火の音と火の色、寒い中で飲む熱い甘酒の美味しさ、重厚な鐘の音… 新しい年が明けた瞬間の期待感… 満天の星空の下の帰り道では男の子の背中にも一つ成長した印象が感じられました。私も今年の大晦日はこの男の子と同じ気持ちで過ごしたいと思います。2024/12/08
はる
76
懐かしいです。大晦日の夜、小さな男の子がお父さんとはじめて除夜の鐘を撞きにいく物語。私の家の近くにも大きなお寺があったので、私の思い出も本当にこんな感じ。深々とした冬空の寒さ、甘酒の香り、人々のざわめき…。独特の緊張感、高揚感が伝わってきます。モノクロの版画風の絵も、古い記憶を追想するようで私は好きですが、子供が読むとちょっと怖く感じてしまうかなあ。2017/11/15
p.ntsk
66
大晦日の夜。家族で年越しそばを食べ除夜の鐘を突きにお寺までの静まり返った道をお父さんと歩く。お寺では新年を祝いあう人々のさざめきと温かい甘酒の香り。男の子の日記を読むような感覚でした。もともと作者の幼少期の思い出に着想を得た作品だそう。特別なことはないシンプルなお話の版画作品ですが年越しの雰囲気と初めて除夜の鐘を突く男の子のワクワク感が伝わってきました。 2017/12/29
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