感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
99
大晦日から新しい年へ。子供の目を通して穏やかさの中に粛々とした雰囲気がある大晦日の夜の情景がありありと伝わってくる。モノトーンで描かれる伝統行事の良さをしみじみと再認識できる絵本。【2019年読み納め本】2019/12/31
はる
74
懐かしいです。大晦日の夜、小さな男の子がお父さんとはじめて除夜の鐘を撞きにいく物語。私の家の近くにも大きなお寺があったので、私の思い出も本当にこんな感じ。深々とした冬空の寒さ、甘酒の香り、人々のざわめき…。独特の緊張感、高揚感が伝わってきます。モノクロの版画風の絵も、古い記憶を追想するようで私は好きですが、子供が読むとちょっと怖く感じてしまうかなあ。2017/11/15
p.ntsk
65
大晦日の夜。家族で年越しそばを食べ除夜の鐘を突きにお寺までの静まり返った道をお父さんと歩く。お寺では新年を祝いあう人々のさざめきと温かい甘酒の香り。男の子の日記を読むような感覚でした。もともと作者の幼少期の思い出に着想を得た作品だそう。特別なことはないシンプルなお話の版画作品ですが年越しの雰囲気と初めて除夜の鐘を突く男の子のワクワク感が伝わってきました。 2017/12/29
♪みどりpiyopiyo♪
62
年末に読もうと図書館に予約した本が、一足遅れで届きました 笑。良い本でした。■絵本の世界の年越しは お年寄り〜幼子まで3〜4世代で迎えるものが多いように思いますが、現代の年越しって、結構核家族だよね。このお話は、お父さん、お母さん、主人公の男の子、幼い妹、の4人家族。色んな環境で育つ子供たちそれぞれにリアルな物語があるのは良いことですね。■夜更かしが許される特別な夜。深夜の外出、新しい年。内に秘めたわくわくが 子供の頃のあの日を思い出させてくれました ( ' ᵕ ' ) (2017年) (→続2018/01/04
よこたん
58
“「かしこくなりますように」パパが けむりを あたまに かけてくれた。「けがをしませんように」てと あしにも かけてくれた。” 香炉から立ちのぼる線香の煙の匂いに、目をしばしばさせた記憶がよみがえった。しぃんという音が聞こえそうな暗い道から、ぽぅと明かりの灯る賑わう境内へ。ほっぺも鼻の頭も冷たいのに、眠気も忘れて心躍らす。甘酒の湯気にほっとしながら、ゆっくりと鐘をつく番を待つ。たぷん一生忘れることのない宝物のような思い出になる。いつか大人になった時、幼いわが子の手を引いて君もこの夜道をゆくのだろうね。2019/12/31