感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chang_ume
9
大判の写真と実測図がすばらしい。障壁画大半の図版化も資料価値が高い。御学問所・常御殿以北に広がる近世天皇の日常空間が、帝鑑図などの古代中国を題材とした金碧画で彩られていたことがよくわかった。図版解説を些細に読むだけで相当の勉強になる。論考は「御所建築と障壁画」（平井聖）が主。現紫宸殿の「異様な形式」など、寛政度と安政度の内裏再建で細かな相違があったことを知った。解説と実態が乖離しがちな現京都御所に関する基本文献だろう。1986年刊。2021/09/19
