出版社内容情報
権力はどこで道を誤ったのか? 警察庁長官狙撃事件、大川原化工機冤罪事件。二つの事件に見る、公安警察の「失敗の本質」。
内容説明
900頁超の特命捜査班の捜査資料、“真犯人”の支援者による27年越しの告白、数々の捜査関係者の証言やメモ…徹底取材の一部始終を公開!「まあ、捏造ですね…」警察庁長官狙撃事件、大川原化工機事件にみる警察組織の“失敗の本質”―なぜストーリーありきの捜査は止まらなかったのか?第29回新聞労連ジャーナリズム大賞大賞受賞。
目次
序章 法廷で飛び出した爆弾発言
第1章 未解決事件の真相を追う
第2章 公安と特命捜査班
第3章 なぜ事件はつくられたのか
第4章 公安に狙い撃ちされた企業と人
第5章 次々浮上する捜査の問題点
第6章 正義のありか
付録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チェアー
4
公安は謝らない。政治家と同じだ。彼らは間違える事は無いと自分たちで勝手に思い込んでいる。ただでさえ警察は自分たちの失敗を認めないのに、公安はそれに輪をかけて失敗を認めない。いまだに大川原加工機の対して謝罪一つしていない。これが公安なのだ。 2025/04/20
トト
2
警視庁公安部の組織的犯罪とも言える2つの事件を追った報道ノンフィクション。「警察庁長官狙撃事件」初動捜査の決めつけから始まり、途中気付きながらも方向転換出来ず、時効。真犯人と思われる人物を逮捕し自供も取れていたのに。「大川原化工機事件」外為法違反で起訴したもののすぐ取り消した冤罪事件。まさにでっち上げ。1人は長期の事情聴取の中、がんを患ったのに保釈が許されず死んでしまうという悲劇。 ことの顛末の一部始終を知ると、国家権力の恐ろしさを感じる。組織的な隠蔽、捏造は他の組織でも日常的に起きている。氷山の一角か。2025/04/02
かつ丼
0
警察庁長官銃撃事件と大川原化工機事件に関する警視庁公安部の捜査のあり方を取材した作品。公安部という取材困難な組織の闇を、圧倒的な取材力で明らかにしていくのは圧巻。「こんな記者がいるんだなぁ」と感じた。2025/05/21
キオン☆
0
従業員90人、警察からの天下りもなく、でっちあげ捜査をするに丁度良かった会社と。第二次阿倍政権の権力争いに、巻き込まれた感。警察も裁判所も検察、経産省、同じ穴の狢かと。もっと政治家の捜査をした方がいいんじゃないのか!地盤看板鞄なしの議員、ありすぎる議員とかいるだろ!逮捕になって、取引を辞退する会社、辞める従業員がいなかったって、凄いと思った。社長をはじめとする幹部の人間力だろう。病院の対応も恐ろし。カメラがなきゃ仕事にならない警察。本著の取材力に敬意をはらいます。読み応え満点!!!2025/05/10