出版社内容情報
権力はどこで道を誤ったのか? 警察庁長官狙撃事件、大川原化工機冤罪事件。二つの事件に見る、公安警察の「失敗の本質」。
内容説明
900頁超の特命捜査班の捜査資料、“真犯人”の支援者による27年越しの告白、数々の捜査関係者の証言やメモ…徹底取材の一部始終を公開!「まあ、捏造ですね…」警察庁長官狙撃事件、大川原化工機事件にみる警察組織の“失敗の本質”―なぜストーリーありきの捜査は止まらなかったのか?第29回新聞労連ジャーナリズム大賞大賞受賞。
目次
序章 法廷で飛び出した爆弾発言
第1章 未解決事件の真相を追う
第2章 公安と特命捜査班
第3章 なぜ事件はつくられたのか
第4章 公安に狙い撃ちされた企業と人
第5章 次々浮上する捜査の問題点
第6章 正義のありか
付録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
67
先日読んだ「ブラック郵便局」といい、この国はどうかしていると思う。日本は、真相を語らないため同じ失敗を繰り返すと書かれています。確かに、黙することが美学のような文化はあるかもしれません。でも、人の命を犠牲にしていいはずがない、どう考えても狂っている。そして、権力を持ったものが、非人道的な行為を繰り返すことを阻止しなければいけないと思います。政治も怪しげな空気担ってきているし、不安な国家になりました。2025/07/31
読特
48
信憑性の高い自供があるのに未解決で片づけた長官の狙撃事件。その病理は糺されることなく、大川原化工機事件の暴走へと続いた。当局でさえ欠陥ありと認める規制への違反。無理筋の立件も公判を維持できず。捜査員をして”捏造”とまで言わしめる。その迷走ぶりは、警視庁公安部という一組織に留まらず、日本の官僚システム全体の構造的欠陥を示唆する。…民への奉仕よりも自らの立身出世。無理を通してでも目立たねばならぬ宿命。どんな過ちでも認めてはいけない無謬性。…犠牲になった一つの命。その重さを感じることから始めねばならない。2025/06/28
kei302
40
報道に触れる度に、杜撰な公安捜査に呆れていたが、この本を読むと、警視庁と検察、さらに、裁判官までもが大きな過ちを犯していたことがわかる。亡くなった相嶋さんのご長男の、怒りを抑え、的確に問題の本質を突いた控訴審での発言が胸を打つ。28日の全面勝訴の判決を受けても、未だに何の謝罪もないことに呆れる。2025/05/30
GOTI
7
☆☆☆☆冤罪、再審を扱った大河小説「新都の証人」に続く司法行政の闇を描くドキュメンタリー。警視庁の主流は「公安部」。警察庁長官狙撃事件では刑事部が容疑者を特定し証拠や自白を握るも、捜査本部を仕切る公安部がオウムによるものとの見立てに拘泥して暴走した。結果、公訴時効を迎える。大川原化工機事件では有罪へと導く証拠や証言を捏造するも、身内の造反により起訴取り消しとなる。逮捕された3人のうち一人は収監中にガンを発症、7度の保釈申請も却下され保釈6日後に死亡した。警察、検察、裁判所による殺人! 2025/10/12
冬薔薇
6
毎日新聞記者の取材実録。先ず1995年警察庁長官狙撃事件、捜一の追った自白犯を認めず、公安捜査は未解決時効へ。2020年大川原化工機事件、初公判4日前に起訴取り消し、冤罪。勾留中のがん患者、保釈を認められず無罪を待たず亡くなられた。国賠訴訟は公安部の違法を認め1億6200万賠償判決。(東京高裁控訴審判決も公安部の逮捕、取り調べ、検察官の勾留請求、控訴提起が違法と認定、1億6600万の判決、2025年上告断念、確定。)事実は小説よりも奇なり。2025/12/01
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