内容説明
自分という存在は、宇宙のはじまりに繋がっている私たちの日常は奇跡のようだ―詩と音楽を愛する88歳の物理学者が「人生の謎」にせまる感動講義。
目次
第1章 急がなくてもいいのですよ
第2章 心の風景と向き合う
第3章 すべての学びは
第4章 遠い世界から
第5章 老いて老いないということ
第6章 幸せについて考える
特別講義 時間・この不思議なるもの 過去も未来もすべて「今」の中に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブック
10
壮大な宇宙の理論が、私たちの身近な日常そのものと関わっている。その事実を、柔らかく穏やかな口調で伝えてくれる佐治氏の著者。この本の中でも、人間が抱える諸問題について、根本的で本質的な視座から、その解決への一歩を指し示してくれる。佐治氏の考え方が、私自身の考えと合致している点が多いため、その価値観について謙虚に自信を深めることにも繋がっている。人間はネガティブなことの原因を他者に求めてしまいがちだが、大切なのは自分が変わることなのだと思う。本当に事態を解決したいのであれば、それしか方法はないのだ。2023/08/21
きょ
3
物理、宇宙、哲学の広がりが趣深い。そして御年88歳 人生の機微を知っていらっしゃるからこその、読ませる、読めちゃう文章なのだろう。見守られ、励まされ、背中にあるあたたかい手で、そっと支えてくれているような心地になる。私の存じている団体とも関わりのある方である。詩的人生案内、まさにその通りだ。文字も大きめで還暦の私には嬉しい。井上ひさしさんは言った「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」あ~、これだ と思った。2024/04/30
takucyan1103
3
【IG図書館 ★★★★】▽「中庸」とは、どちらつかずということではなく、相対するものを包括した上で、一段、高い視座から調和として見ることで「メタ知識」、つまり、自分が認知している知識を、さらに高次の視点から再構築して理解していくという考え方です。▽世の中には「モノ」として独立存在する実態はなく、実在するのは、関係性としての「コト」であるということになります。▽無の世界から、さりげなく、ぽっと宇宙が生まれるには、虚数時間が流れていると考えると、綺麗な数学理論になります。2023/10/30
ni
1
数学や物理などの法則や知識に触れながら、人生と絡めた哲学が語られているところが面白い。理系については詳しくない分野なので尚更。印象的だったところ→ 人間も細胞も依存して生きている。近日点と遠日点を通過するときの周回速度の比が音階の振動数の比になっている。綺麗なガラスのように変化のない状態は認識されず非存在である。音楽は時間の上に存在する芸術。相対的に時間の流れが停止する。因数分解は譲歩し合うこと。譲り合いで解決する。何事も相反するものがバランスをとっている。永遠は現実の中に漂うおもかげ。2024/04/04
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