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出版社内容情報
歴史を変えた言葉、真相を伝えた言葉、曲解された言葉。
戦後の沖縄を彩った「言葉」を切り口に、戦後75年のこの国の実像を照らし出す。
内容説明
戦後75年。62の言葉が、この国の実像を映し出す。戦中戦後、米統治時代から本土復帰を経て現代へ。大田實海軍少将の電文から、戦没者追悼式で感動を呼んだ詩「生きる」まで。「言葉」を紡いで、沖縄と日本の来し方・行く末を描く!
目次
第1章 沖縄戦の残影
第2章 米統治の闇
第3章 本土復帰の騒乱
第4章 昭和の葛藤
第5章 平成の胎動
第6章 普天間の虚実
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほっしー
12
終戦直前から現在までの沖縄を巡る言葉たちをまとめた本書。冒頭の太田實と島田叡の言葉が特に胸に響いた。軍人と知事という業務のために地元ではない沖縄に赴任した2人が、沖縄を思って残した言葉は重みが違う。最後の自分の地元でこのようなことが起こったらどうするのかという問い。当たり前の言葉だけど大事なことだ。想像力を働かせることはつい面倒になってしまうけど、おろそかになってはいけない。想像力を持っていれば、いろんな物事が少しは円滑になるのではないかな。2020/09/10
spatz
10
320ページが濃い。なので、時間がかかった。章立てが細かいので細切れでも読めるのはよかった。力強い力を放つ本。思いがあふれる。取材者の熱い魂をかんじる。沖縄を論ずれば、その歴史を論ずれば、必ず、闘争の話になる、そして必ず政治の話になる。政治の話はタブーという風潮が否めないこの国で、子供たちに何をどう語るのか。英語を学び国際人たれといわれる。しかしひとたび外国語で話をすれば、おまえはどう考える?政治の話にも自然になる。その矛盾。ものいへば。。 #NetGalleyJP2020/09/21
かみーゆ
2
大田實の「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」から政治家、文化人、天皇まで、沖縄の歴史を紐解く上で重要な62の言葉たちを取り上げ、その背景や真意を解説した一冊。少しずつゆっくり読ませていただきました。初めて知った言葉もいっぱいあって勉強になりました。いい本ですね。高校の副読本とかで使って欲しいくらいだ。菅さんとかもちゃんとフラットに書かれてるし、偏りがない視点が素晴らしい。そんな中でもダメだと言われる鳩山由紀夫。。まあ沖縄問題を見える化させたと言えないこともないんでしょうけれど。2022/09/02
Honnomushi 年間100冊 shibari
2
【読書会の課題本として読了】 一つ一つの言葉とその背景を知れば知るほど「せつなさ」と言うか、何とも言えないもどかしさの気持ちがふつふつと涌き出てきた。この本をきっかけに沖縄関連の本を何冊か読んだ。沖縄が抱えている「問題」は日本が抱えている「問題」である、という思いを強くした。2020/09/06
amanatsu
2
1945年の沖縄戦司令官・太田實海軍少将から2019年の「辺野古」県民投票の会代表・元山仁士郎まで、軍人、政治家、作家、社会運動家等色々な人々が発した多くの言葉の中からの一部を拾い上げ、そこから私たちの沖縄と日本の戦後史への認識を覚醒させてくれる書物だ。巻末の付録では、太田實少々の電報に続き、2018年の沖縄戦没者追悼式で当時中学3年史だった相良倫子さんが朗読した詩「生きる」が全文載っていて心を打つ。その後の年表では、掲載された「言葉」の所収ページが示されているのも良いアイデアだと思う。2020/08/29